2016年09月24日

ジョジョの奇妙な冒険 第四部 #26「ジャンケン小僧がやって来る!」


コミックス 40巻02章〜07章までに相当。

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「この矢が欲しがる者を射抜け!」
「射抜かれた人間は、スタンド使いとして味方になってくれる」
それなら味方を増やして息子を守ろう。


すごく手前勝手な解釈だ。

「矢」が意志を持つかのように、自ら射抜く相手を選ぶというのは初耳だ。
それを知っていたら虹村形兆の計画も、もう少し違ったものになっていただろう。

しかし、ある日突然超常の力を身に付けたとしても
康一のように、身を持ち崩さないレアケースもあるわけで、
すべての者が、スタンド能力に本体の精神までが翻弄されるとは限らない。

そもそも能力を発現したとて、その人物に接触して指図したり
思想啓蒙することはできないのだから、能力者になったあとの行動は運任せだ。

杜王町に起こる「スタンド騒ぎ」には、もれなく承太郎たちが対応するので
それにより承太郎や仗助の手を煩わせたり、負傷させたりすることはあるだろうから、
たしかに息子:吉影の足取りを追う邪魔を、間接的にすることはできるが
とりもなおさずそれは、手強い「敵」を作ってしまう可能性もあるということだ。

その辺り、この親父は冷静ではない。
なにしろ、肝心の息子の行方がわからないのだ。
なりふり構わず、当面は追っ手の邪魔を画策するしか、することがないのだろう。



矢の赴くままにターゲットを物色する吉良親父。
おもむろに矢が指したのは

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なんだか野放図な小僧・・・
電柱に登り、木の実を取ろうとしている。

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この木・・・原作では、どうも「柿」っぽいんだが、
アニメでは「いちじく」・・・だろうか、とにかく別の木に変更されている。

何故・・・?とちょっと調べてみたら・・・
柿というのは、どの品種も秋に最盛期を迎えるらしく、
前回の話からすると、作中では今6月なので、
6月に実をつける木に変更されたと考えるのが妥当だろう。

いちじくは、5月頃から市場に出荷が始まるそうなので
6月なら特に手をかけていない原生のいちじくでも、実をつけているのだろう。
ただ、いちじくがこんな大木になるのかどうかは、僕は知らない。



杜王駅で吉良吉影の手がかりを追う岸辺露伴は
犯人の条件に合う人物を片っ端から写真に収めていた。

随分と前向きだ。
以前の露伴であれば、猟奇殺人犯が居るとすれば、
その生き様や精神を、自分の作品に活かしたいと考えてもおかしくない。

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「正義漢ぶるわけじゃあない」と言っているのは、
社会正義や倫理を問うつもりはない。という意味だ。
これは、幼い自分を逃してくれた、杉本鈴美に対する
自分に課せられた使命、責任としての個人的な問題が大きい。
康一や仗助たちと出会ったことによる、変化もいくらかはあるのだろうが。

いずれにせよ、
本来、他人の平穏幸せな生活になど興味がないであろう露伴にしてみれば
人生における大きな転機が訪れているのだ。



そんな露伴が遭遇した受難。

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おにいさん、ぼくと『ジャンケン』してくれない?
めんどくさいガキに絡まれた。

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不審な小僧・・・ホッペタに穴が開いている。

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露伴のマンガを毎週読んでいると言ったこの小僧には、ヘブンズ・ドアーが効く。
この小僧がスタンド使いであることを示唆する記述はない。

しかし、ジャンケンに二度露伴が勝ったものの、三度目の勝負に際して
苛立ちに駆られた露伴は、肝心のジャンケン勝負を疎かにし、敗れてしまった。

そのため、ヘブンズドアーを部分的に奪われ

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露伴に一方的に都合の良い記述が書き換えられた。

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ヘブンズ・ドアーの1/3はぼくが動かせる。
あと2回勝てば、あんたの能力がすべて手に入る。



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どうやらヘブンズ・ドアーの右腕を取り戻すには
ジャンケンして勝たなきゃならないらしいな・・・

そもそも小僧の方は、最初の2敗についてペナルティを支払っていないので
この勝負はフェアじゃない。
露伴の方は1敗するたび、身体の自由を失い
精神的にも肉体的にも疲弊していくのに、小僧にはその前提がない。

これはおそらく、まだスタンド使いになる過程だった最初の2敗は
小僧のスタンド「ボーイ・II・マン」のルールが適用される前だったということ。

露伴は、2勝1敗からの有利なゲーム開始と考えたようだが、前提が間違っている。

「露伴のような若くして成功している人を超えたい」という(スカスカの)願望と、強い意志を持って臨んだ勝負に負け、さらに公衆の面前で恥をかかされたショックも相まって、急激に成長した小僧のスタンドが、ようやく開花したのが三度目の勝負のときだったのだ。

すなわち、このあとまたグーで負けた露伴は
スタンド「ボーイ・II・マン」が支配する勝負において2連敗し、
これでトータル0勝2敗なのが真実だ。


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とてもジャンケン勝負とは思えないダイナミックな構図で描かれる
シンプルで、しかし苛烈な戦い・・・勝負の行方は

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勝利を確信した直後、小僧の出した手はグーに変化していた。

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一気に取り戻される、奪われたヘブンズドアーの手足。

前述の理屈なら、これはまだ露伴の1勝目に過ぎない。
しかし露伴も、小僧も、それを知らない。
ふたりとも2勝2敗のラストゲームだと思っていた。

第三部のダービー戦がそうであったように、
スタンドのルールに則って奪った掛け金は、
心の底で敗北を確信した際にその拘束力を失う。

あるいは、この小僧が自らの負けを心底から認めないほど厚顔無恥で、
「知らないね。はじめから7回勝負と言ったよ」と言える人間だったなら
奪った手足を手放してしまうことはなかったかもしれない。

これが本当に最後の1戦だと確信し、自らの勝利を確信していたからこその敗北感だ。

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この勝利は、さっきジョセフと仗助が通りがかったときに
「透明の赤ちゃん」に指令を書き込んだための結果だった。

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小僧は自分の『強運』に有頂天になって、それだけで勝てると考えた。
露伴は運の巡りが自分にないことを悟り、自らの力で勝利を呼び寄せた。
これはスタンドバトルなのだ。露伴の行為はイカサマではない。

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この距離で、どうやって書き込んだのかは・・・まぁ問うまい。

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自ら『運』を呼び込んだ露伴を、トラックまでが避けて通った。
さすがは第四部の影の主役:露伴先生、完全勝利。

小僧=大柳賢のCVは坂本千夏。いや〜、久しぶりに声聞いた気がしたわ。

次回:ぼくは宇宙人
露伴先生・・・次回も災難なのか・・・・


おことわり)
アニメ「ジョジョの奇妙な冒険」 のレビューは
「原作準拠」の検証の目的で、コミックとの比較をするスタンスで書いていましたが
第四部は、三部までほど「原作準拠」に拘っていないようなので、比較はもちろんしつつ、
筆者の勝手な推察や持論を、多めに盛り込んで書いてゆきます。

基本的に、揚げ足取り中心の文章となることはこれまでと変わりないので
ファンの方には、しばしば不愉快な思いをさせることがあると思いますが、
筆者は決して悪意を持ってはいないことをご理解の上読み進めていただけると幸いです。

また、検証・認識の甘さから、的はずれなことを書くかもしれません。
その場合は、遠慮なくご指摘ください。

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