2015年06月09日

ONEPIECE 789「LUCY!!」


「10分間かせいでくれ」

戦闘員でもないギャッツに託された
ドレスローザの”希望”たるルフィ。

ギャッツには「逃げる」しか手段がなかった。

しかし、
まだ完全に繋がっていない腕の傷も厭わず現れたローに
ルフィを預け、重責から解放されたギャッツは

一般の国民と一緒に鳥カゴを押すのではなく、
彼ならではの、彼にしかできない「任務」に邁進する。


op_789a.gif マイク・パフォーマンス

ドレスローザの危機、全国民の生命がかかったこの事態に
彼は「ルーシー」の力になりたかった。
ただ応援するのではなく、
正体を見抜いたからこそ、直接助力をしたかった。

しかし、戦士でない彼には、
ルフィに頼まれた10分間の任務は荷が重すぎた。

ローが、究極の指し手を自分で預かったのは
「ギャッツごときに任せられないから」ではなく、
「勝機を一瞬たりとも逃さないため」ではあったが

時間までの数分をローに任せれば、
ギャッツには自分らしい方法で、
しかも今こそ必要な”力添え”ができることに気がついた。


巧みな話術で、
誰もが魅了された「ルーシー」の強さと痛快さをルフィと結びつけ、
そのルフィを「希望」と呼んだリク王を「真の王」と呼び、
今あらためて、悪は誰か、自分たちの希望はどこにあるか、
そしてそれは実現するのだと熱弁を振るう。

海賊”麦わらのルフィ”では、ただの海賊同士の戦いに
下手をすれば「巻き込まれた」と感じる民もいるかもしれない。
しかし
皆の愛するコロシアムの、痛快無比なニューヒーロー”ルーシー”になら
国民もより親近感をもって声援を送ることができる。

op_789b.gif

自らは、対面するドフラミンゴへの恐怖に打ち震えながら
“悪”に処刑宣告をし、国民を鼓舞する名調子。

まさに「男の生き様」をここに見た。

そして…

op_789c.gif 約束どおりのルフィ復活。

最後のゴングが鳴る。
果たして本当にあと一撃で決まるのか!?



さて、前回僕は
ドフラミンゴとヴァイオレットの”大人の関係”について
相当勝手放題な推論を書き連ねましたが、

ワンピの考察や感想を書くいろいろなサイトを見ていると
同じように感じた人もたくさんいたようで、
しかしながら、反対に
「それは無いわ」「考えたくない」という意見も多数見られました。

で、一週間たちましたが、僕の考えは基本的に変わりません。

本人が望んで”そう”なったとは限らないし、
ふたりが「恋人」だったとは僕も思っていません。

「大人の関係」だったのです。

ヴィオラはギロギロの能力を、父王の命と引き換えに提供しようとも
ファミリーに入る必要はなく、ましてや「殺し」に手を染めるには、
そうならざるを得なかった経緯があるはずです。

ヴィオラは、それはもう様々な逡巡や葛藤の末に
ファミリーの幹部になったのでしょう。

亡き姉スカーレットや落ちのびた父リク王、そして
今なお全国民の怨嗟の的として晒し者にされているレベッカを
裏切る行為に違いなく、

それでも彼女には、逆賊の汚名を着ようとも、
幹部になることで成し遂げなければならないことがあったのです。

ファミリー内の信頼を得るために、悪事にも積極的に加担し、
ギロギロの能力で、悪党どものクソみたいな思考ばかりを連日読み、
人間に希望を見出せなくなるには、10年という時間は十分すぎます。

自らの能力ゆえに、真意を悟られることの恐怖に敏感だっただろうし
より頑なに心を閉ざし、感情を「無」にして幹部の任務をこなしてきた。

しかし
「私にはやらなければならないことがある。」
「ファミリーに心を許したりなどしない。」と固く心に刻みながらも
犯罪行為や、罪もない人々を傷つける行為を
自分に「仕方ないこと」と納得させねばならないことは、
高貴で世間知らずな嬢ちゃんには、精神的にツラいときもあっただろう。

そんなときの心の慰めになるのは
逆に、自分で自分を貶める行為だったりする。

ドフラミンゴに「ただの幹部以上に」個人的に近づいたのは、
もちろん狙いがあってのことだ。

op_788g.gif
しかし、心の底からドフラミンゴを100%憎んでいたなら
彼を「ドフィ」とは呼ばない。

ヴィオラのドフィへの感情、ヴィオラにとってのドフィの存在意義も、
10年もの年月の間に当初とは少しずつ変化してきたのだろう。

ただの愛人であれば「若」で十分だし、
少々深い仲になったからといって、急に馴れ馴れしくする女を
ドフラミンゴが許すとも思えない。

ふたりの間には、ヴィオラがドフラミンゴを愛称で呼び
ドフラミンゴがそれを受容するまでの関係が築かれていたことは
もはや間違いない。


おそらく、作中でそのことがこれ以上掘り下げられることはないだろう。
物語の本筋に関係ないし、オダッチがそれを描きたいと思わないだろうから。

だが、それでいい。
たったこれだけの短いやりとりで、これだけのことを思惟させる
ストーリーテリングの妙。

オダッチの匠の業に感動し、脱帽します。
そして、勝手ながら
こういう妄想を繰り広げることが、僕には至上の喜びなのです。

posted by BIE at 16:40 | Comment(6) | TrackBack(0) | ワンピース
この記事へのコメント
案外、ドフィの心の中をギロギロで覗いたからこその、ヴィオラにしか知ることのできなかった彼の苦悩を知るものとしての役割が、まだ残ってやしないかと期待しています。
ただ倒されるだけにしては惜しいキャラですし。
Posted by 草 at 2015年06月09日 18:24
ストックホルム症候群というのがあるらしいの
ですが、ヴィオラもそれに近かったのかもしれ
ません。

ドフラミンゴもただのチンピラではなく、同情
の余地が(ちょっぴり)ある悩める悪党という
ところでしょうか。もちろん、だからといって
大勢の人を傷つけていいわけはありませんが、
悪をただの悪としないところが、ワンピースの
奥の深さといえるのかも。
Posted by 向日葵 at 2015年06月09日 18:58
姐さんと呼ばれていた時点で私も関係性は明らかだと思っていたのですが、そう思わない方々もいるのですね…。
そういう方々は姐さんという呼ばれ方をどう捉えているのでしょうかね。
Posted by ken at 2015年06月10日 18:57
次号(30号)予告の「ドフラの左下にいる海兵」は誰だと思いますか?私にはまったく見当がつきません。。管理人の考察を聞かせていただきたいです!
Posted by ワカラミンゴ at 2015年06月15日 07:18
残念ながら本誌次号予告に、次号掲載原稿の絵が載ることはまずありません。
あれはG-5@パンクハザードの海兵ではないでしょうか。
Posted by BIE(管理人) at 2015年06月15日 13:06
管理人さま、698話を実際に確認してみました。管理人さまのおっしゃる通りでした!
Posted by ワカラミンゴ at 2015年06月15日 18:47
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