2016年08月13日

ジョジョの奇妙な冒険 第四部 #20「山岸由花子はシンデレラに憧れる」


コミックス 37巻07〜09章、38巻01〜03章に相当。

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山岸由花子は、最近落ち込んでいた。
原作と物語の導入が大きく異るのは、エピソードの入れ替えが原因だろう。

次回21話からの「吉良吉影は静かに暮らしたい」と
順番を変えられた理由は、また次回以降に改めて考えようと思うが
キャラそれぞれが持ち得る知識や、前提となる人間関係の影響で
この冒頭の演出が変えられたことは間違いないだろう。

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原作では、康一とはじめてデート?(二人で話)をしたオープンカフェで
独りたそがれる由花子に、ジョセフが「エステ・シンデレラ」の情報を与える。

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方やアニメでは、
自分と初デートをしたオープンカフェで、自分とではなく、
仲のいい友人と楽しく談笑する康一を、遠くから眺めるしかできない自分に
もどかしさや切なさを募らせる由花子の感情が、
原作以上に陰々滅々としており救いがない。


ジョセフに教えられた情報ではなく、偶然通りがかって自分で見つけた
「愛と出逢うメイク」を施す「エステ・シンデレラ」

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エステティシャン:辻彩は、スタンド使いだった。


「愛と出逢うメイク」を施された「由花子・改」
とにかく、メイクは30分しか保たない。
どうやってその効果を確かめるのかと思ったら、

jojo-4DU_20e.jpg すぐに康一と出会えた。
さっき見かけた由花子がすごく浮かない顔していたから
心配で捜していた、というのだ。
(先日はストーキングしてる由花子から走って逃げたくせにな。

僕は、実生活で「縁起」や「運」ってものをまるで信じないので
そんなふうに考えてしまうのだが、
そんな康一をにわかに心変わりさせるほど、
運の流れを引き寄せる(捻じ曲げる)スタンド能力、ということだとしたら
悪用されたらかなり厄介だ。


jojo-4DU_20f.jpg カフェ ドゥ・マゴ

原作では初登場時「れんが亭」だったカフェが
次から「カフェ ドゥ・マゴ」と名前が変わっている。

08話のレビューで説明した通り
康一と由花子の初デートに際して二種類の表記があることから
やはり途中で変更されたか、荒木先生が「れんが亭」と書いたことを忘れたか、
いずれにせよ原作においては「れんが亭」と「ドゥ・マゴ」は同じカフェである。

それがアニメでは「Rengatei」で統一されているのだから
「カフェ ドゥ・マゴ」というお洒落な名前のカフェは
アニメには登場しないのだろうと思っていた。

ところが、第18話の冒頭で

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カラッケツの仗助の財布に入っていたのは「ドゥ・マゴ」のレシート。
これは一体どういうことか?・・・と思ったよ。

おそらく・・・だが
「カフェ ドゥ・マゴ」とは実際にパリに存在する有名カフェである。
現在は東京にもその支店があるので、固有の商標を使うことによる
トラブルを避けるために「れんが亭」をそのまま使用したのだろう。
「れんが亭」という飲食店も実在するが、それはいくらでも回避できるし
フランスの有名店に訴訟を起こされでもしたらたまらない。
その手の国際問題は、三部OVAのときに懲りているのだ。

しかし
康一がさっきまで仗助たちとお茶していたカフェにもう一度入るのは不自然だ。
しかも、れんが亭には仗助たちがまだいるかもしれない。
ここへ来て、オープンカフェをもう一店舗用意する必要ができた。
「れんが亭」よりもお洒落であるなら、なおのこといい。

そこで実際の「ドゥ・マゴ」や原作では「DEUX MAGOTS」と表記するところ
アニメでは「de maigot」と表記を改めた。これで商標問題は起きないはずだ。



jojo-4DU_20h.jpg ドキ☆ドキ♡急接近!
しかし・・・

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タイムアップの30分で、スイッチが切れたように去ってしまう至福の時間。

康一のお腹が急に痛くなったのは、
ついさっき「れんが亭」でアイスコーヒー飲んできたのに
そこへチョコパフェを急いで食べたから、と、
由花子との急接近で極度に緊張したからだろう。
たぶん、シンデレラの効果が加味された影響はあっても、切れた影響ではない。

しかし、それが制限時間きっかりに起きてしまっては、
由花子としてはシンデレラの力を信じるしかない。


これまで叶わなかった「康一に愛される」という至福に溺れてしまった。
理想の愛を現実のものとするうえで何ひとつ譲りたくない欲深い由花子は
それ以下の愛ではもう我慢できない。
30分といわず、康一の愛を永遠に受け続けられる施術を、彩に強要する。

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シンデレラによって全身のパーツを換装した「由花子・改弐」

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爽やかで清潔、完全無欠な神聖性に優しく包まれたような美しさ。

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攻撃的なほどに、ほとばしる「魅力」を放出してくる原作と表現が異なるのは
彩が言う「愛に関して無敵の肉体」というのを由花子自身が
積極的に体現しているか、消極的に享受しているかの違いだろう。

結果、いくつかのトラブルに苛々させられたが

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由花子は康一の「心」と「唇」をゲット!本懐を遂げた。



ところが、由花子はその日以来康一の前から姿を消した。
「愛の全身メイク」を維持する口紅を30分毎に塗ることを怠ったため
由花子は、顔のみならず全身が崩れ始めていた。

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さしずめ致命的損傷で撤退を余儀なくされる「由花子(大破)」といった状況か。


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しかし康一は、目に見える由花子に恋していたのではなかった。
「由花子・改弐」の猛攻はたしかに康一の心を動かしたが、
そのせいで由花子を好きになったのではない。
由花子の強くて真っ直ぐな激情ともいうべき愛情と、タフな精神に
すでに好意を持っていたのだ。
康一は、今回のことでその自分の気持ちに気づかされたに過ぎない。


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辻彩は康一に免じて、由花子に最後のチャンスをくれた。

ただし「この中から選べ」と言った顔のパーツ群に
「本物はない」と見ぬいた場合だけ、という
実に底意地の悪い湯婆婆のようなラストチャンス。

悩んでも答えが出ないので・・・そのうち由花子は考えるのをやめた。

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康一が選んだ「顔」ならその運勢にも従える。

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もし間違っていたら自分の目を見えなくしてほしい。


最終的に、由花子の顔が元通りになったのは、彩のお情け。

彩はもともと、純粋に人を幸せにするためにエステティシャンになった。
シンデレラという絶大な能力を手に入れて、多少傲慢になったようだが
望みを叶えるために、対価を差し出すことは当然の道理なので、
それを患者に徹底して厳守させるのが彩の「魔法使い」としてのルール。

しかし自業自得の由花子はともかく、
そのルールのために、無関係の康一を不幸にする訳にはいかないし
元に戻りさえすれば、由花子も、康一の献身的な真実の愛に、
あとはもう「素」の自分で幸せになれると確信したからだろう。


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トニオと同じような孤高のスタンド使いがここにいた。

次回「吉良吉影は静かに暮らしたい その1」
いよいよ本格的にヤツが出てくるぞ。(今回もちらりと出てたけどな


ところで
今回多用されてる「ミュシャっぽいアール・ヌーヴォーな背景」・・・
なにこれ? 何を象徴してるんだろう・・・?


おことわり)
アニメ「ジョジョの奇妙な冒険」 のレビューは
「原作準拠」の検証の目的で、コミックとの比較をするスタンスで書いていましたが
第四部は、三部までほど「原作準拠」に拘っていないようなので、比較はもちろんしつつ、
筆者の勝手な推察や持論を、多めに盛り込んで書いてゆきます。

基本的に、揚げ足取り中心の文章となることはこれまでと変わりないので
ファンの方には、しばしば不愉快な思いをさせることがあると思いますが、
筆者は決して悪意を持ってはいないことをご理解の上読み進めていただけると幸いです。

また、検証・認識の甘さから、的はずれなことを書くかもしれません。
その場合は、遠慮なくご指摘ください。

ご指摘・お叱り・応援、あらゆるご意見を歓迎します。

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