2017年04月17日

ONEPIECE 862「頭脳派」


前回ラストで、ベッジをも唸らせた「演技派」サンジの浮かれっぷりは

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演技ではなく、とはいえ本気で浮かれているわけでもなかった。

天性のスケベ心がムクムクと鎌首を持ち上げて、わかっちゃいるけど、ムラムラとムフフを隠せないだけ。って見たまんまかーい! かと思えば、いやそう単純ではないのかもしれない。

女は蹴ってはいけない。レディは優しく丁重に扱う。そして

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「女のウソ」は許すのが男。

本能的には危機を察知しながらも、これら幼少の頃から培ってきた女性観が、持ち前のジェントルな(すなわち建て前の)部分で、心とはうらはらにプリンの裏切りを許容しようとしているのだ。これは考えてやっていることではないので、サンジにもどうにもできない。(たぶん


衆人環視の中、特別製の巨大ウェディングケーキの上で執り行われる誓いの儀式。

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ヴィンスモーク家が座る特別席の周囲は、密かにビッグ・マムの子供たちに取り囲まれ、レイジュはここで滅ぼされる覚悟を決めたようだ。


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いよいよ誓いのキス。
プリンも、他の兄弟たちも、銃を抜く準備は万端だった・・・が、しかし

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「血の宴」開幕の狼煙は上がらず、突如泣き崩れるプリン。

一体何が起こったのか。


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プリンは、計画通り、サンジがベールを上げた瞬間に「第三の眼」を露出した。愛しい花嫁が「三つ目のバケモノ」だったことにサンジが怯んだスキを突くつもりだった。
プリンの目論見通り、サンジは一瞬怯んだが、しかしそれはプリンが「三つ目」だったことに驚いたのではない。

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プリンの瞳があまりにも美しかったからだ。


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幼少期からバケモノ扱いをされ、人々に忌み嫌われてきた結果、すっかりひねくれてしまったプリン。「三つ目」を唯一必要としてくれるママにさえ「気味が悪いから隠せ」と言われ、自分でもこの「三つ目」を忌まわしいものと認識していた。

プリンは生まれて初めて、「三つ目」を嫌うどころか、その「三つ目」を本心から好いてくれる男に出会ったのだ。激しい動揺、止まらない涙、もうプリンにこの男を殺すことはできない。

ヴィオラに続き、またしても、サンジの一点の曇りもない下心が、頑なになった女の心を溶かした瞬間だ。


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この異常事態をいち早く察知したカタクリがサンジを狙撃するが、サンジには当たらない。カタクリが撃ち出したジェリービーンズは、プリンの代わりにサンジを撃とうとした神父に当たってしまい、神父の銃は空を撃った。

それが作戦開始の合図となった。

作戦の開始前から、すでに計画通りに事態が進んでいないことを知らないルフィは、予定通りの「おもしろい登場の仕方」とやらを決行。

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巨大ウェディングケーキの中から、無数のルフィが飛び出した。

地下の囚人図書館に幽閉し、その後オペラが勢い殺してしまったはずの「麦わらのルフィ」が大量に、それも、今回の茶会でママがもっとも楽しみにしていたウェディングケーキを台無しにしながら登場したのだ。さすがのママもこれには驚いた。・・・しかし、これは怒るでぇ・・・。


さて、いくつか気になることがあるな。

まず、時間ギリギリまでベッジの体内で眠っていたルフィが、いつの間にケーキの中に移動したのか。

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これは、登場の演出についてルフィが事前にベッジに何やら頼み事をしていたので、ケーキの中もしくは裏にでも、あらかじめ鏡を用意させていたと考えるべきだろう。

次に、カタクリの能力について。
前々回860話のレビューで、僕は「見聞色の覇気」をいくら鍛えようとも、未来のことが分かるようにはならない」と断言した。

レイリーの解説が適切だという前提でだが「相手の気配を敏感に察知する、人間誰しもが持っている能力」である「見聞色の覇気」では、周囲の空気の流れや音の変化、相手が発する気配、筋肉や目の動き、鼓動、あるいは血液や体内の神経伝達物質の動きまで感じることができたならば、目の前の敵がこれからどう動くかを瞬時に感じ取ることができるだろう。それは次の動きの「予兆」を見ているからだ。

しかしその理屈なら、たとえば目の前の人物「A」の動きに反応して、予期せぬ行動を取った別の人物「B」の動きを事前に察知することはできない。「B」の動きの予兆は、「A」の行動があってはじめて現れるからだ。
覇気は超能力ではない。いくら鍛えようと、万能にはならないはずだ。・・・と僕は確信していたのだが・・・

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今回カタクリは、これからサンジが「三つ目」を見て取る意外な反応を、その時点では想像だにしていなかったプリンが、サンジの言葉に心を揺さぶられ、泣いてうずくまる様子を見ている。(なぜ足元が、ケーキの下にいるカタクリから高い目線で見えているのかは謎だが。

残念だが僕の考えは大外れだった。カタクリは、本当に少し先の未来を見ることができる。

では、そこまで超人的な未来予見能力を持ちながら、なぜジェリービーンズを外したのか。それは、カタクリほどでは無いにせよ、サンジもまた「見聞色の覇気」の優れた使い手だからと考えるべきか。でなければ「自分の行動の結果は予見できない」とかいう、作品展開上都合のいい弱点があるのかもしれない。

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また、不測の事態にママを庇うように立ちはだかったのはさすがだが、「おれにも手が出せねェ」とはどういう意味か。
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ルフィが飛び出してくること、ルフィが大勢いること、ケーキが破壊されること、今からではこれらを「止められない」のは分かる。「手が出せねェ」って何だろう?


あと、ヴィンスモーク家の男どもは、本当に何も気付いていないし、何も企んでいなさそうだ・・・。
がっかりさせてくれるわ。


ところで・・・
「頭脳派」って誰のこと言ってるんだ? 

「美しい瞳」発言は、サンジがプリンに銃を撃たせないために、考えて言ったわけではない。ふと本心から零れ出た言葉だからこそ、プリンの胸を打ったのだ。
だが、前回の「演技派」も、そう見えただけで実際はそうではなかったから、今回のサンジは言葉巧みにプリンを拐かした「頭脳派」に、少なくともベッジには見えていた、ということなのかな・・・。
posted by BIE at 09:36 | Comment(4) | TrackBack(0) | ワンピース
この記事へのコメント
無数のルフィが飛び出てくるところを予見してしまい、一発ずつしかビーンズを打てないカタクリは「手が出せねえ」と言ったのではないでしょうか。
あるいは「無数のルフィたち全員がビッグマムにゴムゴムの銃をお見舞いする」ところまで見ていたとすれば、一連のセリフが全部繋がりそうです。
Posted by ひが at 2017年04月17日 13:34
カタクリが手が出せないのは、「阻止する=ケーキに手を出さざるを得ない」ことなので、ママの逆鱗がカタクリ本人に向かうからではないでしょうか。
Posted by 流星群 at 2017年04月17日 18:00
なるほど。「おれがケーキをダメにする訳にはいかない」なら筋は通りますね。
でも他の兄弟に言うならまだしも、ママ本人に対してこの言い方は少し違和感が残ります。
「ママやべェ!ケーキが破壊されちまう」と言うべき場面だよなぁ。
ブリュレが人質に取られていても、攻撃しそうだし・・・
やっぱり「手を出せない」理由が分からないなぁ
Posted by BIE(管理人) at 2017年04月17日 18:11
今まで誰にもビーンズをかわされたことがなかったのでは?
初めて自分の見聞力を上回る敵に出会って「手を出せない」と言ったように感じました。
Posted by バトラー at 2017年04月18日 23:17
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