2013年05月30日

宇宙戦艦ヤマト 2199 #08 星に願いを


旧作における第09・11・12話に相当

旧作ではおよそ軍属しか登場しなかったガミラスにも、
平和に暮らす民がいる。

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軍事主体の国家運営とはいえ、民草の支持なくして国政は成り立たない。

逆襲のシャアで、シャアが艦隊の前でぶった演説や、
電車で市井の人々と触れあって見せたのと、
戦略という意味で根っこは同じだが

デスラーはより積極的に活用し、国民の支持を受けている。

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シュルツの娘:ヒルデが目を輝かせているところを見ても
二等臣民にも不平のない、なかなか良い治世を敷いているようである。

これは
問答無用で一方的かつ強引な侵略行為を行う極悪非道の枢軸
として描かれていた旧作のガミラスとは明らかに違う。

まぁ旧作は「SFヒーローの敵といえば=地球侵略を目論む悪の宇宙人」が
当たり前の時代に作られた作品なので
そういうテイストはガミラスにも色濃く染みついていた。

今は時代が違い、いわゆる「ガンダム以降」
敵方も社会問題や環境問題、政治問題、人間関係や妬み嫉みなどにも悩まされる
自分たちと等しい等身大の人間であり
彼らには彼らなりの事情があるとするのが正道である。

また、もともとヒトラーをモデルとしているとはいえ
国民を煽るのが巧いだけのキナ臭い演説ではなく
嘘でも国民を愛しているというアピールをさせることで
デスラーのキャラの振り幅に余裕ができ、
たとえば性格や人間関係などの新設定も追加しやすいのかもしれない。
事実この8話までの時点のデスラーに、旧作のような冷徹な印象は見受けられない。

それが蛇足となるかどうかは・・・またそのときの話だ。


まぁそんなわけで、ガミラス軍首脳の歴々も実に個性豊かなのだが
その紹介は、またいずれするときがあると思うので割愛する。

なぜだかタランが二人いるが
旧作のタランはひとりなのに、途中でデザインが大きく変更されたため
本作では兄弟としてふたり登場させたらしい。



今回の作戦、
旧作では、デスラーを楽しませるイベントとして、タランが作戦を立案。
銀河方面軍司令本部へ、わざわざデスラーに出向いてもらっているが

辺境の未開惑星が単艦で前線基地を撃破したとて
その程度の相手をひねりつぶすことは
ガミラスにとって至極当たり前のことであり
総統デスラーを歓待する余興となり得るとは、
現状のヒスやタランには考えられないだろう。

本作では、逆に
ガミラス帝国建国1000年ならびにデスラー紀元103年を祝う
式典での演説の後、式典に集まった軍幹部たちの日頃の労をねぎらう、
デスラーからのもてなしの余興となっている。

なるほど、軍上層幹部を視聴者に紹介する機会とするには
皆がデスラーの下に一同に会する場を設け
そこで、デスラー発案の余興とするのが、より自然かもしれない。


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開かずの間の美人の幽霊

星名は百合亜を怖がらせようと、話のツカミとして言ったに過ぎないが
その幽霊の正体と、百合亜が"見える体質"であることは
今後重要になってきます。覚えておきましょう。


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この美しい地球こそ我々が取り戻すべき本来の地球。

ヤマトの望遠鏡で見る8年前の地球が、なんとも感慨深い。
しかし
地球と時差を全く感じさせない交信をする技術を持ちながら
ここだけリアルタイムの光線映像で見せることに、
何か違和感を感じてしょうがないのだが
ヤマトが光の速度を超えてきたことの再確認と
通信技術にもワープの理論が転用されているものと勝手に解釈した。



今回の話は
旧作における第09・11・12話のエピソードを
ひとまとめにしたものとなっており、

第09話は、前線基地を失い進退窮まるシュルツ艦隊が最後の決戦を挑んでくる話。
第11話は、デスラー機雷を素手で撤去する話。
第12話は、エネルギーを吸収するガス生命体をけしかけられる話。

11話で己が名を冠した機雷を平気の平左ですり抜けられたとはいえ
この時点で、なにを・・・とデスラーが新兵器を擁して出張ってくるのは
あまりに短絡的で不自然。

余興という形で、デスラーに積極的にヤマトへ関心を持たせ
計画を実行するのは最後のチャンスをもらったシュルツ隊
という、実に合理的な話数節約になったことはすばらしい。


さて、作戦に付随するエピソードは寄せ集めでも
ガミラス側の作戦内容とこの後の展開は、旧作12話とほぼ同じ。
このあたりで沖田艦長の病状悪化が明らかになることも同じなのだが

ガス兵器に追い込まれてヤマトが逃げる先にある赤色巨星が
旧作でオリオン座のα星=ペテルギウスだったのが
てんびん座のグリーゼ581に変更となった。

ペテルギウスは地球から640光年の場所にあるとされていることと
現在でもいつ超新星爆発を起こしてもおかしくないとされていることから
2199年の状況がどうなっているかはあやしい。
よって、物語の進捗状況に適合しないと判断されたのだと思う。



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では諸君、テロン人の健闘を祈って乾杯しようではないか。

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wワロス 総統もそうとう冗談がお好きで…
旧作と同じく穴に落とされる『下品な男』。

まぁ、下品かどうかはともかく、
国家元首が乾杯の音頭をとる前にすでに酔っ払っているようなヤツは
軍隊では粛正されて然るべきだと思うわ。


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デスラー魚雷の中身は、エネルギーを吸収して無限に増殖するガス生命体。
旧作ではデスラーが「たわむれに作ってみた」と言っているが
本作ではどこぞの星域に生息する稀少生命だそうだ。
原理など大層な薀蓄が加味されているが、基本的な性質は旧作とほぼ同じ。

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恒星へ向かって逃げるヤマト
艦外服の着用でクルーの身体は守られても
これでは熱だけでなく、太陽風の影響だってハンパない。
艦が保つはずはないのだが、むぅ〜そこは問うまい・・・

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ガス状生物は、より強大なエネルギーを求めて恒星へダイブ

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突然発生した巨大コロナを波動砲で撃ち、
できた隙間をすり抜けるヤマト。

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追ってきたシュルツ艦はコロナに焼かれてあぼーん・・・

名将沖田のすばらしい機転で、ヤマトは3つの危機を一気に回避

・・・て、それでいいのか・・・
逆に詰め込みすぎて、沖田の機転・知略の印象が薄れてやしないか?


まぁシュルツたちの見せ場を作ったことは
ガミラス帝国の組成と層の厚さ、兵の忠誠心などがよく理解できる
よい改変だったと思うのだが、やはりスマートにまとめすぎた印象が拭えない。

さらに言うなら、
コロナの火柱を波動砲で消し飛ばすことが仮にできたとして
そこから再起動をかけたヤマトがその開口部をはたしてくぐれるのか、

いや、もっと言うなら、
本作での波動砲は次元爆縮砲。
マイクロブラックホールを発生させて対象を消滅させているはずだ。
ということは、事後ブラックホールが消失=爆縮させた空間が戻るときに
開口部はふたたび閉じるんじゃないのか。

難しいことはもっと詳しい人に任せるしかないか。
よそに情報あったら教えてください。


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ヤマトか・・・記憶に留めておこう・・・

デスラーがヤマトを記憶した。
これが今回もっとも大きな進展だったかもしれません。




余談ですが:

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波動砲を見たタラン(兄)
兵器開発局で試作中のものと似ている・・・

これはちょっと興味深い。

次元波動エンジンはイスカンダル提供の技術なので
隣国であるガミラスに類似した機関があっても不思議ではない。

しかし、確か波動砲は
波動エンジンの理論・技術を応用して地球側で開発した兵器のはずだ。

科学技術の進んだガミラスならば
同様のエンジンがあれば、似た兵器を開発することは道理なのだが

この意味するところは、
ヤマトに搭載されている波動エンジンは
ガミラスの技術水準からしても最先端か、それを越えるレベルのものであり
ところが、イスカンダルが旧作と同様の衰退ぶりなのであれば
その技術はイスカンダル由来のものとは考えにくい。

すなわち、ヤマトの次元波動エンジンのテクノロジーは
ガミラスで開発されたものがイスカンダルに漏洩、つまり
ガミラス内部にイスカンダルの支援をしている者の存在を示唆するものだ。

ガミラスとイスカンダルの関係、イスカンダルの現況は?
古代守の生存は、そしてハーロックは?(これはどうでもいいw)
posted by BIE at 00:33 | Comment(3) | TrackBack(1) | 宇宙戦艦ヤマト

2013年05月21日

宇宙戦艦ヤマト 2199 #07 太陽圏に別れを告げて


旧作における第10話に相当

太陽系外苑、地球との通信もそろそろ安定しない。
そんな中
地球防衛軍 国連宇宙軍極東司令部との通信。

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冥王星基地陥落の報を受け
地球に残る人々はヤマトの活躍と
旅の成功への期待に胸を膨らませているそうだ。

ところが旧作では、人々はヤマトが遠くなるにつれ不安になり
その困難な旅に絶望しているという。
ここまでのヤマトの活躍は伝わっていないらしい。

こんなに早くヤマトに希望が持てなくなっては、
暴動はもちろん、自殺者なども続出するんじゃないのか。

で、そんな不安に対し、直接クルーの口から伝えようと
地球との通信が許可されるんだが
まぁ家族にだけ伝えることになるし
その家族がヤマトへの期待感を周囲に啓蒙したところで
いったいどれ程の人に伝わるのかは微妙だ。

だからなのか、
本作では通信可能である最後のひととき、
太陽系赤道祭という名のパーティと一緒に
福利厚生の一環として行われることになった。(っぽい


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技術部の新見と保安部の伊東

ここで新見が言う
新しい恒星系にでも行かない限りヒマな仕事 とは、
芹沢から命ぜられた秘匿任務のことであり、
それは地球人類を移民させる「イズモ計画」の密かな続行である。

すなわち、
「真贋あやしい情報を頼りにヤマト単艦に地球の命運をかける」
本部決定であるヤマト計画に邁進することに異論ある者ということ。

保安部という仕事の特性なのか
新見の事情をどうやら知っているらしい伊東が
不敵な笑みで新見に近づく。
この意味は後にわかるのだが、まぁ善人顔ではないよね→伊東。


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地球との通信で土方と話す雪
過去の記憶がない雪は、この1年土方に保護されていたそうである。

雪に何があったのか
古代とのエレベーター内での会話といい
ユリーシャとの関連性が気にかかります。

地球との通信に使われる装置は
旧作では

yamato2199_07e.jpg なんだか仰々しい通信室だった
しかも無駄に広い。

本作ではどこか個室になる場所にPC端末のようなものを持ち込んだ
間に合わせの装置となっている。
ヤマトの限りある艦内スペースを考えると
旧作のように遮蔽された通信室が必要かどうかは極めてあやしい。
急遽思いついた企画に使う装置ならなおさらだ。
そういう部分も考慮されているのだと思う。


旧作で

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話す相手がいないことを誰にも告げず、孤独を噛みしめる古代。

同じく所在なく艦内をうろついていた沖田艦長は
yamato2199_07g.jpg 古代の来訪を歓迎

そして、
ともに地球に別れを告げる

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さよぉならー!必ず帰ってくるからな!

ここから先の航海に向け、意識を新たにするため
故郷への思慕の念を断つ全クルーの手本となるべく
そしてこの経験が、古代の持つ沖田への信頼と絆を強固とし
意識の変化と責任感を古代にもたらすことになる・・・のだったが


本作で艦長室を訪れたのは徳川機関長。

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長らく乗艦を共にし
互いの身体的・精神的疲労をも理解し尽くす者同士
昔語りと、この世紀末における老兵の役割について言葉を交わす。

その頃、寂しさを紛らわせるために甲板作業を手伝いに行った古代は
同じ境遇の山本玲と意気投合

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その後展望デッキで雪の身の上を少し知る。

老人は老人同士、若者は若者同士、
同じ温度で話をすればいいとでも言うつもりか、ブッちゃん。

今の若い視聴者に受け入れやすくするための方法だとしても
この改変はとてもとても残念だ。



旧作の古代進は"男"でござる。

若さに任せた向こう見ずな面もあるが、
正義感が強く、熱血で、責任感に溢れ、
女性(雪しかいないが)に優しく、同胞や部下の信頼も厚い。
そして耐え難い孤独と悲しみを胸に秘めたニヒルな一面を時折見せる。

その孤独と悲しみを垣間見てしまった雪が
古代に想いを寄せるようになるのは、これはもう必然だ。


反して本作の古代の孤独は、言っちゃなんだが深くない。
身を持て余して艦内でひとり孤独に打ちひしがれるようなこともなく
悪く言えば、甲板作業で紛らせられる程度の悲しみなのだ。

玲も雪も家族がいないというのだから
視聴者的にも「孤独」というキーワードの持つ美徳を強く感じることはない。


その辛い孤独を唯一うち明けられる存在が沖田だったのに・・・
だから親子のように互いに信頼関係を築くことができるようになるのに・・・


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必ず帰ってくるぞぉ〜!
という叫びにもぜんぜん魂を感じない。舐めんな小野D!

これが時代に合わせた改変だというのなら
時代の流れはなんとも残酷だ。


そしてさらに言うなら
繰り返しになるがエンディングだ。

DVD版では、この07話から
エンディングテーマが「真っ赤なスカーフ」に変わる。
劇中で最後の地球をバックに「必ず帰る」と二番を流し、
EDでは一番、旧作通りのお馴染みの歌詞でしっとり終わる。

これは出渕監督のこだわりだったはずなのだが・・・
TV放映版ではやっぱり中島美嘉のままだった。
13話までこのままでいくつもりなんだろうな。
やはりDVDとTVシリーズのプロモーションは
連動こそしているが全くの別商品扱いだと思うしかないようだ。




非常に余談なのですが・・・

ヤマトの女性クルーには

yamato2199_07l.jpg こんな人もいるのですね。

いや、まぁクルーの選出に写真選考や水着審査があるわけでなし
能力や適性があれば、容姿など問うている余裕はないのでしょうが
なんだか・・・とても意外だった。

それともあれか、
これは誰か男性が女性クルーのコスプレをしているのか・・・?

それならばまだ納得がゆく。
うん、そう思っておくことにしよう。


・・・と思ったのに

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やっぱりこういう人居たわ・・・

posted by BIE at 02:14 | Comment(3) | TrackBack(1) | 宇宙戦艦ヤマト

2013年05月14日

宇宙戦艦ヤマト 2199 #06 冥王の落日


旧作における第08話に相当

偽装爆発で絶賛死んだフリ中のヤマト
作戦行動の詳細を知らないクルーは右往左往

旧作のときから精神が不安定で
ベルトのストレスゲージが頂点に達すると逆噴射男に変身する
サナギマンネガティブ男:藪は不安と不満を漏らす。

こいつは以後度々ぐちぐち言うようになるので
旧作のように何かしでかすのかもしれない。
それまで藪はひたすら耐えるのである。(違

反面、山さんは実に男前だ。

旧作では徳川の後を継ぎ「新たなる旅立ち」以降機関長を務める山崎は
実はそれ以前も機関員としてヤマトに乗っていたらしく
「さらば〜」で生き残った19名に数えられている。

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本作ではガッシリ体系で腕毛ボーボーの頼れるオヤジ風になっている。


さて、ここからの作戦行動は旧作と大きく異なるため
旧作との比較という観点では多くを語ることができない。
よって、新旧別々に見ていくことにしよう。


まず旧作では

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アナライザー、加藤、根本、杉山を引き連れた古代は
自ら先頭に立って敵基地攻撃隊を編成、探索艇で出て行く。
名前を聞いたこともない根本、杉山はもちろん犠牲要員だ。

破損箇所修復の監督をしている真田も駆り出され
古代が出しゃばりなことも含め
毎度のことだがヤマトの人材不足が悲しまれる。


yamato2199_06c.jpg yamato2199_06d.jpg
逆さになったヤマトの中で主要クルーは
第三艦橋へ移り指揮を執る・・・と言いながら

古代たちを送り出した途端、敵潜水艇に襲われ
即時、潜水艦行動を中断、復舷する。
いったい何しに第三艦橋まで行ったのやら
次のシーンでは元通り第一艦橋にいるクルーたち。

第三艦橋は必要か不要か。
デザインされたときに相当揉めたそうなので
その存在意義を少しでもアピールしたかっただけじゃないかと。


探索隊は攻撃目標の位置確認のために
ヤマトを囮に、あえて反射衛星砲を撃たせる。
これは2199でもある行動なんだが・・・

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反射衛星の反射板の動きを確認したら即座に潜水して砲撃をかわす・・・ってオイ
間に合うわけないやんけー!!

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さらに爆雷の雨あられを喰らいながらも再び囮を演じ

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そのおかげで探索隊は反射衛星砲の排気塔を発見、そこから潜入する。

yamato2199_06h.jpg yamato2199_06i.jpg yamato2199_06j.jpg
今砲を撃たれたら全員蒸し焼き
地面に触れたら黒こげの謎ルーム
電磁バリヤーなど、ツッコミどころ満載のトラップをかいくぐり

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海底に隠された砲台の破壊に成功。

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その余波で洪水に飲まれる冥王星基地


ま、たった5名の1小隊にあてもない探索をさせたのも、
旧作では基地のおおよその場所が特定できていたからなのだが
さすがに無理ありまくりの作戦だ。

本作でよりスマートな作戦に変更されたのも無理はない。


ちなみに、旧作で犠牲要員だった根本と杉山は
ともに航空隊の一員として登場。
yamato2199_06n.jpg 杉山は、本作でもここで死にます。

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アルファチームの古代・山本の隊が
偽装フィールドに囲まれた基地を発見する。

旧作ではブラックタイガーの"機銃"が巡洋艦を撃沈させたりする描写もあるが
そんな無茶な・・・

本作では各個体は自身の役どころを良く理解している。

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敵基地を発見したコスモ・ゼロ二機編隊は
遮蔽フィールド生成アンテナらしき装置を優先的に破壊
むき出しになった基地をヤマトに砲撃させる。

これこそ組織的な作戦行動。燃える!


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ヤマト、逆さまで浮上。(注 ブルーノアじゃありません
衛星に気付いたヤマトは、タイミングを計って潜るのではなく
直上の衛星を砲撃、破壊。

潜水艦行動中ですから、
yamato2199_06r.jpg こういうのもオツです。
ま、本物の次元潜水艦ってのは後々出てきますけどね。

復舷したヤマトは時限信管をセットした三式実体弾で
反射衛星砲台を撃破

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うおー、超かっこいい!
ショックカノンも好きだけど、
実体弾の砲撃、超テンション上がる!!

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主砲塔から、煙突から
空対地ミサイルの総攻撃

yamato2199_06u.jpg 冥王星基地壊滅


このあと旧作09話では、
満身創痍でほぼ戦闘不能のヤマトは
命がけの最終決戦を挑んできたシュルツ艦隊を
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アステロイドベルトを駆り撃破しますが、
本作にそのエピソードはありません。少し残念ですね。


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ガミラス総統 アベルト・デスラー

喜び勇んだシュルツの勝利の報告を、
当たり前のことを報告するなと取り合わないのは旧作と同じだが
光速を越える艦の存在を気にかけている。

ヤマトが光速を越えたことの報告がなかったのは
紛れもなくゲールの怠慢wだが、
デスラーはこの時点でイスカンダルからの技術供与を疑っているようだ。

侮れない・・・
変わらずプライドは高いが、ただの増上慢ではないらしい。

旧作より、手強い・・・のかな・・・?

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posted by BIE at 09:55 | Comment(0) | TrackBack(1) | 宇宙戦艦ヤマト

2013年05月13日

宇宙戦艦ヤマト 2199 #05 死角なき罠


旧作における第07話に相当

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冥王星

ここに、ガミラスの銀河方面軍テロン(地球)攻略前線基地がある。

2006年に準惑星に格下げされるまで、長らく太陽系第9惑星とされており、
ゴッドシグマのエンディングを例に出すまでもなく
水金地火木土っ天海冥(ちいさな「っ」は必須
と、一括りで覚えた、ヤマト世代には今だに馴染みの深い星だ。

その冥王星までが完全に制圧され、
ガミラスの勢力図は太陽系をすでに浸食しはじめているという脅威。
さらに、ここから先はまったくの地球の勢力圏外に出る
ヤマトの旅の前途を占う基点となる星。

そういった意味合いも込めて
ガミラスの最前線基地は太陽系の内と外に面するここに設定されたと思う。

しかし現代では、
冥王星はほか数個の太陽系外縁天体と同じ扱いとなり「準惑星」。
ここに前線基地を作ることの戦略的意味、
地球を威圧する精神的効果などを考慮すると
旧作と同じく冥王星である必要性がいささか疑問だ。

カロン、ニクスの衛星が出てくるのも時の流れを感じさせる。
※旧作当時は発見されていませんでした。

しかし…やはり冥王星は変えられないわな。


yamato2199_05b.jpg yamato2199_05c.jpg
反射衛星砲
この、へぇポタンの上にアスパラガスが乗ったような
独特のデザインはそのままに

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本作では遊星爆弾の射出装置として登場した。

確かに、
わざわざ報告しなくていいとまで言われる
外宇宙へ出たこともない劣等種族(地球人)の制圧に
ガミラス軍の最新兵器が配備されるというのもおかしな話。
(旧作では最新兵器と言われていました。

超強力だが射程が短い砲台を一基だけ擁していた不自然さも
攻撃用の兵器ではないとすれば説明がつく。

旧作でも
「波動砲には太刀打ちできないので頭を使って闘うのだ」
と、反射衛星砲による戦略を思いついているので
そもそも襲撃者を翻弄するためのトリッキーな兵器というわけではなさそうだ。
それなら、いっそ兵器でない機器を転用する方がおもしろい。

これを撃破することで
今後、遊星爆弾の脅威はなくなると確信できるのもいい。


その分、旧作で遊星爆弾がどのようにして発射されていたのかは
描写がないのでわからないが、一度に20発とか発射していたものが
本作では1発ずつの定時発射となっており、
冥王星基地の人の少なさや、
僻地へ追いやられた閑職兵のそれでいて律儀な仕事ぶりを垣間見ることができる。
反射衛星砲で20発同時には撃てないしな。


今回の作戦は、ヤマトを囮に敵基地を特定し艦砲射撃でこれを殲滅。

波動砲を使えばリスク無しで一発じゃん
思慮が浅く、古代に反抗心を持っている南部のキャラクターが
よく現れているセリフだが、旧作ではなんと真田の進言だった。

冥王星には現住生物がおり、その生態系や住環境を傷つけることは
太陽系の共有財産の損失でありそれは許されない。と沖田艦長。

本作では、空想の域とするには微妙なため生物云々には触れないし、
波動砲は感情的に使用しない。これは出渕監督の決定事項でもあるらしい。

前回少し触れたが、波動砲の運用にはポリシーがあるそうな。
キムタクヤマトの制作陣にも聞かせてやりたい。
軍テイストのヤマトを創ろうとして降板させられた樋口真嗣が
本作に参加しているのも興味深いね。



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第二艦橋はCIC=戦闘指揮所に改められている。
実際の自衛隊の艦艇なんかもCICはこんな感じらしいけど、
第二艦橋って第一艦橋よりも広いはずなのに、この閉塞感は何?


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コスモファルコン
旧作でのブラックタイガーに相当するヤマトの主力戦闘機だが
イスカンダルからの技術を使用して
ヤマト艦載のために開発されたブラックタイガーとは異なり
コスモ・ゼロの量産遅延をカバーするべく国連地上軍から供給された機体
ということになっている。
モデルは旧日本陸軍の隼だというから徹底してるな。

加藤隊長機は尾翼に「誠」の文字が。
カラーリングも新撰組をイメージさせるだけでなく
「マコト」つながりで
原田真琴とのロマンスありか・・・と余計な勘ぐりもしてみる。

加えて、旧作では一機しかなかったハズのコスモ・ゼロ
※たまに間違って複数描かれてましたが・・・
二番機が設定され、どうやら正式パイロットは山本玲。

キャラクターの女性化といい、この山本の特別扱い・・・
古代・雪との三角関係発展を予感させる。



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謎の攻撃に被弾するヤマト
旧作ではシュルツ目線で、ヤマトをおびき出し反射衛星砲を撃つ経緯が
克明に語られているが、本作ではヤマトクルー目線で突然の被弾。
綿密なブリーフィングにCICからの戦闘指揮、波動防壁の展開と
万全の体制で作戦に臨んだ瞬間の衝撃。この演出はナイスです。

この反射衛星砲
反射させられるということは光線兵器かと思いきや
その軌跡の速度は物質的に空間を移動しているようであり
原理がいまいち不明。

本作では
反射板を破損しないためか、エネルギーの欠損を少しでも防ぐためか

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反射の際に衛星直前にリフレクターを展開させている。
そもそも、照射することで隕石を遊星爆弾化できる原理がわからない。
エネルギー弾なら隕石を破壊してしまわないのか?


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逃げ場を失い冥王星の海に着水したヤマトに直上からの追い打ち。 
ヤマトは冥王星の海に沈没する・・・。

yamato2199_05j.jpg yamato2199_05k.jpg
砲撃を受けたヤマトは横転してから艦首を上にして沈没。
旧作では、同じく横転した後、艦尾を上にして沈没しました。
この差違は、
実際に船が沈没するときどうなるかがリアルに反映されているのか
それとも単に画的な演出なのか・・・

何にせよ、ここまではほぼ旧作通り。
ここからの作戦は、旧作とは一変しますがそれは次回。



余談ですが:

前回コスモゼロを勝手に持ち出した山本玲。

作戦中に自身の任務を放棄し、独断で艦載機を運用。
結果オーライとはいえ、重大な軍規違反だ。

階級や科部署の設定、言葉遣いまで
海軍テイストをそれっぽく取り入れているのに、これはナイ。
こんなにユルユルで、狭い艦内の規律が守れると思っているのか。

いかなる理由があろうと、
こういうことしでかしたヤツが希望通り航空隊に転属などできるはずはないし
本来なら営倉入りは免れず、
直属の上司である平田だって監督責任を問われるはずだ。

yamato2199_05l.jpg
航空隊への転属許可、俺にその権限はない。
いや、今回だけ大目に見る権限だってあんたには無いよ。

あと、素材が何かは知らないが
ロッカー殴っても、
こんな大友克洋が超能力出したみたいなつぶれ方はしませんから。

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2013年05月03日

宇宙戦艦ヤマト 2199 #04 氷原の墓標


旧作においての第06話に相当

yamato2199_04a.jpg

ガミラス軍銀河方面作戦司令長官ゲール

二等臣民で立場が弱い部下シュルツの報告を聞き入れず
強きに媚びへつらい、弱きに権威をふるう、ゲスで卑屈な小役人
中間管理職の「イヤなヤツ」。

旧作では、その金満趣味やこれまで築き上げてきた地位を
ドメルにすべて否定されて、保身のためにバラノドンを独断で運用するも失敗
あげく、強引なドメルの作戦の疑正当性を本星に密告するなど

意外に、やることやって記憶に残る、こすずるい小悪党の見本を演じていたが
・・・さて本作ではどういった役どころになるものやら。
(ま、知ってるんだけど、今は書きません。


ここで少し補足すると
シュルツたち「二等臣民」というのは
ガミラスに征服され、その後併合された惑星の出身者のことを指しており
純粋なガミラス人ではない。だから肌の色が青くない。
(旧作でデスラーやヒスもはじめは青くなかったのは無かったことに…

果たして「二等臣民」という階級がガミラスの民法上存在するのかどうかは怪しいが
第二次大戦時、日本軍人として戦地に赴いた朝鮮人を想像すると
理解しやすいかもしれない。



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ヤマト艦内、今後の航路についてブリーフィング
後顧の憂いを断つために冥王星基地を叩きに行くべきと訴える古代と
最短距離で主任務に徹するべきとする島の対立

しかしここで、航路を大きく外れる土星の衛星エンケラドゥスから救難信号を感知
さらに加えて、波動エンジンにトラブル発生

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コンデンサーの一部が溶けかかっており、このままでは航行不能に陥る可能性もあり
修理には「コスモナイト90」という稀少な鉱物が必要だという。

旧作での破損は、エネルギー電動管が焼きついたと言っているが、
エネルギー電動管ってつい先週、浮遊大陸で修理したばかりの箇所なんだが
そのときはどうやって修理したのやら・・・
ともかくコスモナイトを削窟しにタイタンへ。

本作では
偶然にもエンケラドゥスに放棄されたコスモナイトの採掘場があるので
古代・島両名の感情的な意見よりも優先的に進路決定。


ちなみに、旧作でタイタンだったのがエンケラドゥスに変更されたのは
おそらく、現実の土星探査機カッシーニがタイタンを調査し
近年、その環境がいろいろと明確になったため、SFの舞台として使用しにくいなど
いろいろな事情があるのだと思う。

「エンケラドゥス」とは、タイタンと同じく
これも土星の60以上ある衛星のひとつで、
「ひび割れた鏡餅みたい」とか「地表の亀裂から間欠泉がある」などは
wikipediaによると実際に確認されている事柄のようだ。

今回、その間欠泉をうまく物語中のしかけとして使っているので
それらの特徴と知名度の低さがエンケラドゥスが選ばれた理由なのだと思う。



エンケラドゥスでは、真田がコスモナイト採掘の指揮をとり
古代、雪、原田、アナライザーが救難信号の確認に向かう。

旧作では救難信号を受信していないので
古代、雪、アナライザーがコスモナイトを探しに行く。
そこで"偶然"兄のコスモガンを拾って助かる。
という展開に無理があると感じたのだろう。はじめから難破船へ向かうことに変更された。


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ガミラスのロボット兵:ガミロイド
彼らはアンドロイドなので
会話に用いられているのがガミラス語かどうかはやや疑問だが
「戦車ヘ連レテ行ケ」という意味の「ツバクカンサルマ」は
旧作に登場したガミラス兵のセリフそのまんま。

もともとは意味不明の言語という意味で、脚本に「○△×」と書いてあったのを
カタカナに直して逆から読んだのだそうだ。
本作では「ツバク」が戦車の意味として使われているとかなんとか、

そこまで拘らなくてもいい気もするな・・・


で、古代は兄のコスモガンを拾い、

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間欠泉のせいで戦車を失ったことに気を取られたガミロイドを倒し

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残った一台の戦車は、駆けつけたコスモゼロ二番機が撃破

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コスモガンから難破船が「ゆきかぜ」だと気付く。

と、立て板に水を流すように
重要イベントが滑らかに連を紡いでいく。


今回は、ゆきかぜ轟沈&生存者なしという現実に直面しながら
裏では兄:守の生存の可能性を暗に示唆しているというのが話の中心だが

そこに絡めて、古代と雪の「吊り橋効果」による(?)感情の変化と
父親を誇りに思う島の強い気持ち、あと山本玲の実績づくりを
うまくひとつのエピソードにまとめていると思う。

実は、この「島の父への想いの強さ」というのが
後々重要になってくるので、チェックしておくように。試験に出ます。

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余談ですが:

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初めて描かれるヤマトの食堂
金曜のおすすめメニューが「海軍カレー」とは
どうやら自衛隊の流れを酌んでいるらしい。強制的ではないんだな。

O・M・C・Sという食糧供給システムがあらゆるメニューを作り出しているそうで
宇宙でその原材料をどうやって調達しているのか。
何から作られているかは、真田曰く「知らない方が幸せ」だそうだ。

あれか、未来少年コナンで廃棄プラスティックからパンが作られていたような
あんな感じか。確かに想像したくないな。

ただ、ちょっとだけ気になるのは

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メニューの中に「合成さんまの蒲焼き」なるものがあることだ。
先の真田さんの話を聞いた感じでは、
O・M・C・Sで作られるメニューは、正規の食材を使っていない。
要するにほとんどのメニューが「合成」なワケだ。
メニューにあえて「合成〜〜」などと書く必要はない。

例えばそれが塩焼きや煮付け、甘露煮などであれば
味や食感のみならず、魚の姿形までも再現する必要があるため
「これは合成さんまなので、形はカンベンしてね」という意味合いで
メニュー名に「合成」と、敢えて付けることもあるだろう。
しかし蒲焼きにそこまでの再現性が求められるとも思えない。

まぁ極めてどうでもいい事と言ってしまえばそれまでだが
いつかこの疑問が晴れることを、一応祈っておく。



余談というには非常に重要な追記:

TV放映版は01・02話まで予告があったのに
03話から予告が放映されていない。
この理由は簡単だ。尺がないからである。

03話からは冒頭にナレーションが付いたことにより
その分、予告の時間が取れなくなったに違いない。

ま、予告だし、旧作でもタイトルだけだったし。
と、軽く考えてはいけない。絶対にダメだ。

何故か。

予告のナレーションが沖田艦長役の菅生隆之だから?
まぁ、それもある。
だが僕が言いたいことは違う。
予告をカットしたことで非常に重要なものがなくなっていることに
みんなは気付いているだろうか。

旧作では、毎回本編のラストにナレーションが入っていたのが
本作にはそれが無い。

そのため、
旧作でそのナレーション中に収められたお約束の文言が
本作では予告で語られているのだ。

気付きましたね。

人類滅亡の日まで あと三百と六十五日

これが無くなってるんですよ。ありえない!!


全体通しての流れが重要な作品なので、
これまでのあらすじを冒頭に入れるのはいい。
しかし、予告が沖田艦長なのに、このナレーションは別の人だ。

これをクオリティが落ちていると言わずして何と言うんですか!

主題歌や雪の乳だけじゃなかったよ・・・大問題だ。
お願いだから、お願いだから考え直してほしい

僕の魂の懇願です。

posted by BIE at 19:18 | Comment(0) | TrackBack(0) | 宇宙戦艦ヤマト

2013年05月02日

宇宙戦艦ヤマト 2199 #03 木星圏脱出


旧作においての第04・05話に該当

僕はDVD版を観ながらレビューしていたので気付かなかった。
今回のTV放映が本作初見となる友人が漏らしていた不満
それは

主題歌がささきいさおじゃない。

EDを、DVD版と違い中島美嘉が歌っていることは知っていた。
まぁEDはDVD版でも当初「真っ赤なスカーフ」ではなかったし
ガンダムSEEDみたいな、極めてどーっでもいいEDは確かに不快だが
問題はむしろOPにあるだろう。

楽曲はもちろん「宇宙戦艦ヤマト」なのだが、アレンジが異なり
唄っているのはJAM Project +その他大勢だ。

"JAM Project"
食い詰めアニメシンガーの生活をすくい
アニメファン心理の足下をすくう
なんとも節操のないプロ歌手集団だ。(あくまで個人の印象です。

僕は"JAM Project"そのものを否定はしないが
"JAM Project"を起用すればファンは喜ぶだろう、という
安易な考え方には大いに疑問を感じる。

もちろん個々の歌唱スキルは非常に高い。
だからこそ、ろくなパート分けもされないまま、ただ合唱すれば
強すぎる個性は互いを邪魔しあい、結果楽曲の雰囲気を台無しにすることがある。

今回がそのいい例だ。

もともとこの曲は
「おらーっ!いくぜお前ェらー!!」とノリノリで歌う曲ではない。

名作アニメ「宇宙戦艦ヤマト」を、忠実以上にリメイクしたい出渕監督の
意向に沿っているとも到底思えない。
DVDとの差別化も結構だが
このTV放映しか観ない人にとっては、
拒絶感を感じさせるとても大きな要因になっていると理解するべきだ。

こういうことはライブでやれば盛り上がるのは鉄板だ。
是非そういう場所でやってくれ。こっち来んな。


TV版しか知らない人のために掻い摘んで説明すると
DVD版ではささきいさおがソロで唄っている。
かつて和製プレスリーと呼ばれた重厚でセクシーな歌声も
声質の経年劣化は避けられなかったようだが
旧作に忠実に再現された(若干軽いが)伴奏とともに
「これがヤマトだ!」と本物を感じさせる。

しかも03〜09話は(01・02話はOP無し)
旧作01〜03話までと同じく、
イントロが無く、ヤマト起動のSEのあとアカペラで始まるバージョンだ。
10話からおなじみの軍艦マーチのようなイントロで始まる
バージョンに変わるのも、作品そのものの再現性を高めたい意識と
高いサービス性に他ならない。

もう少し先の話だが
EDが「真っ赤なスカーフ」に変わるタイミングも
監督が考え抜いた演出であり、今回これが無視されるようであれば
TV放映版そのもののクオリティを自ら下げることになると
ぜひ覚えておいてほしい。




さて、地球圏を離脱したわれらがヤマトは
33万6000光年という途方もない長旅を成功させる鍵を握る
ワープ航法のテストへ。

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ワープとは、このように
ワームホールを人為的に発生させ、実質的に光速を越える航法です。


え?それだけかーい!

旧作では、
アインシュタインの「閉じた宇宙論」などのそれっぽい薀蓄に加え

yamato2199_03b.jpg yamato2199_03c.jpg
時間の波を跳躍するという、目で見て分かりやすい解説が為されていた。
まぁ「閉じた宇宙」は
仮説として不十分だったことをアインシュタイン自身が認めたし、
今思うと、他にもいろいろツッコミどころはあるけれど
リアル指向のこの作品で、
アホの子に説明するような解説は不要との判断なのだろうか。
まぁ細かい理屈はどうでも、
これから起こることはみんな基本的に知ってるしな。



今回、旧作の04・05話分、すなわち、
ワープテストと波動砲を一話にまとめているためストーリーはサクサク進むが
旧作ではこのワープ直前にガミラス空母の攻撃があり
ワープに備えてヤマトの武器は使えないから、と
ブラックタイガーチームのお披露目となる。

本来なら航空隊の必要性を説く大事なシーンだったりする。

そして航空隊の山本が被弾し、ヤマトに帰還困難になる。
同胞を見捨てないヒューマニストと
あくまで作戦遂行のリアリストの二律背反にドキドキした少年時代。

また、ミサイルの命中寸前に
初めてヤマトのワープを目撃したガミラス兵の驚きも
僕たちがヤマトに抱く未知の可能性への期待を高めてくれたものだが・・・。


たった一隻の戦艦での戦争だが、
こういう描写があることで「生きた人間が闘っている」ことを感じさせ、
戦争を知らない子どもたちにも
戦いの高揚感や、その恐ろしさを伝える役割を担っていたように思う。

本作では、枝葉のリアリティに拘るあまり
幹や根が描き切れていない印象をしばしば受ける。とはいえ
何に重点を置くか、これは監督におまかせするよりない。



で、だ。
まぁワープといえばお約束のこのシーン
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当然、美麗な絵で再現されています。

オーディオコメンタリではブッちゃんがもっともらしい理屈をつけて
本作においても再現しなければならない正当性を解いていましたが

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TV版では下着どまりだったようですね。

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DVD版では下着も透けて乳頭らしきものもちらりと確認できます。

で、どうでもいいんだが・・・いや良くないな
現代の考証でリメイクする主旨の作品にしては、この下着適当すぎないか?

白無地に飾りはリボンだけって
なんでここだけ旧作時代の万丈パンツなんだ!
官給品なのか! お役所仕事だからセンス悪いのか!

いくら物資不足時代の官給品だとしても、
専用の艦内服を新たにデザインして配給する余裕があるなら
日用品にも気を遣ってやれよ。

旧作の時代なら、男尊女卑の名残があったとしても理解できるが
今作られる作品でこれはあんまりだろう。
下着のデザインだって2世紀進化なしかよ。



さてこのワープテスト
旧作では月軌道から火星宙域までのテストが無事成功。
本作では天王星軌道までの予定が
予定した航路上に未知の障害物を感知し、自動で回避したため
木星圏にワープアウトした。と

意味はよく分からないが、空想科学をここで究明しても意味はない。

ヤマトの航路はユリーシャを安置している自動航法室に依存しているらしく
ブラックボックス的存在であるそのナビの気まぐれに左右されることがある
という、不思議かつ御都合設定。

次なるイベントをサクッと消化するべく
実に都合よく木星に辿り着いた。



そこで遭遇したのは、そうご存じ「浮遊大陸」

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旧作では
オーストラリアに匹敵する大陸が、
木星のメタンの海をある軌道に沿って回遊しているのだ

と、もっともらしいナレーション(なぜか伊武雅刀)があり

ヤマト以前の艦では木星に降りることができなかったせいなのか
船乗りたちの間で伝説級の存在として
まことしやかに語られていたものとされている。
つまりは自然現象だ。

反して本作における浮遊大陸はというと
まずこれを見てほしい。

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ガミラス本星って地表は穴だらけだよね。

この穴の部分の陸地が実は浮遊大陸。

ガミラスは、
移民のためなのか、植民地としての生態系を本星に近づけるためなのか
ガミラスホーミングという、本星の環境を移植する侵略行為を行っている。
遊星爆弾による毒性植物の散布はその第一歩であり
本格的なガミラスホーミングを地球に行使するための準備を
ここでしているという設定になっている。


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シュルツの愛娘:ヒルデたん
大人気らしいな。・・・じゃなくて!
注目すべきはそこじゃない

このメッセージデバイスと良く似たものを

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雪が持っていたな。ということだ。
本作における雪は、なにかと謎が多い。


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主砲こと"ショックカノン" かっこいい!

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三口の砲門からのエネルギー弾がなぜだかキリモミ状に束になり
一本のねじねじエネルギー弾となる原理は不明。

ショックカノン、三式実体弾、パルスレーザー、
そしてロケットアンカーに、この後登場する波動砲。

yamato2199_03m.jpg yamato2199_03n.jpg
駆逐艦、巡洋艦クラスを圧倒する勇姿
ヤマトの武装紹介を兼ねた回だね、第03話は。


そして大陸を出たヤマトは
旧作のように、浮遊大陸と同じ軌道を一周して大陸に追いつくような
まどろっこしいことをすることなく
すぐさま振り向き、波動砲の試射を兼ねて大陸基地を撃つ。


かつてヤマトを観たすべての男子が真似をしたことがあるであろう
波動砲発射のシークエンス。
「オレの方が完璧に言える」「オレの方がもっとリアルだ」と
小難しい用語の羅列を一生懸命覚えたものだが
本作製作の流れからして当然、
今回の波動砲発射はその子どもたちの行為の延長上にあり

あのリアル描写が売りだった波動砲発射を
今ならもっと、こんなによりリアルに映像化できる!

という「リアル描写再現自慢」をしたい監督の
オタクならではの大いなる自己満足(褒めてます)を満喫できる。


旧作では、波動エンジンの全エネルギーを一気に放出するとされていた波動砲

本作での波動砲とは「次元波動爆縮放射機」
波動エンジン内で解放された余剰次元を射線上に展開
超重力で形成されたマイクロブラックホールが瞬時にホーキング輻射を放ち
域内の物質を蒸発させる

とされており、単なるエネルギー兵器ではないように変更されている。

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見事というか・・・
浮遊大陸のみならず木星の大気の層を一部消滅させて

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ヤマトは無事木星圏を脱出。


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波動砲の威力に有頂天になる南部と
逆に、より慎重になる他のクルーたち

ここで肝心なことは波動砲が及ぼす全機関への影響。

旧作では、波動エンジンの全エネルギーを一気に放射するため
エンジン内はエネルギー0、推進力を失うとされている。
そのために発射後の波動エンジン再起動にそなえるために
艦内の電力はすべてカット、照明は消え、廊下の動く歩道もストップ。
さらに撃った後には、推進力を一時失ったヤマトが
木星の重力場に飲まれかけるところを
メインエンジンフルブーストでなんとか切り抜けるという

この波動砲のリスクを感じさせる緊張感が本作にはない。

「再起動時に備えて非常電源に切り替える」と
真田さんから一言あるだけだ。

本作では
波動砲を撃つことによって起きるヤマト自身のリスクよりもむしろ
ワープや波動砲が敵はおろか宇宙全体に及ぼすかもしれない影響
そしてそんな大それたことが果たして許されるのか、という
ぶっちゃけ今考えても仕方のない、
ある意味、偽善的・独善的懸念をよりフィーチャーしている。


我々の目的は敵を殲滅することではない。
ヤマトの武器はあくまで身を守るためのものだ。


この沖田艦長のセリフは非常に重要。旧作とはニュアンスが若干異なります。

自衛隊でもあるまいし、専守防衛に徹するわけでもないでしょうが
シリーズを重ねるたびに、好戦的に外連味を増してきた
古代進の性格とヤマトの武装。
僕たちの記憶はその回を重ねるごとに刷新されていたのかもしれません。

しかし出渕監督が言うには、ファーストシリーズの"本来の"ヤマトは
これ以降、直接人に向けて波動砲を撃つことはしなかったと言います。
(すいません、検証してません。)

禁断のメギドの火を手に入れた我々へ下る審判はいかなるものか。
ヤマトと地球のあしたはどっちだ。


あー・・・04話はレビューしないかも。
posted by BIE at 06:03 | Comment(2) | TrackBack(0) | 宇宙戦艦ヤマト

2013年04月24日

宇宙戦艦ヤマト 2199 #02 我が赴くは星の海原


旧作においての第02・03話

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ヤマトを攻撃する敵機襲来。

旧作では、古代と島は一度本部に戻り
佐渡先生とともに沖田艦長直々に第一艦橋へ迎えられてからの襲来だが
先の偵察機の飛来と一度にまとめられている。

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シェルターに避難する人たち。
唐突だが、この人たちはヤマトの正規訓練兵で
各セクションの責任者になるはずの者たちらしい。

彼らがこの爆撃で戦死してしまうので
経歴が未熟な古代や島が班長を拝命するという
なんとも言い訳とするには苦しい展開だ。

彼らは何をするためにこんな危険な地表近くに集まっていたのか
皆目見当がつかない。

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しかも直後ヤマトは砲塔を動かし空母を攻撃。
どうせここでヤマトを動かしてしまうのなら
後のクルーたちをシェルターなんぞに避難させず
なぜヤマト内部に入れてやらなかったのか

これはもう、死ぬために登場させられたとしか思えない。


旧作では沖田、古代、島、森、佐渡、アナライザーという
よくわからない面子のほかは作業員しかいない状況で
ヤマトは起動する。

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地面がひび割れ、偽装が剥がれ
ゴゴゴゴとヤマトが起きあがる印象深いあのシーンはここ。
勘違いしてる人が多いのだが
なんと旅立ちの発進のシーンではないのだ。


旧作では「イズモ計画」という名称はついていないが
ヤマトは、選ばれた人間や動物を乗せて
地球を脱出するために建造されたらしい。
そこへ波動エンジンを入手したので
ヤマトに載せたらいいじゃんよーとなったワケだ。

ガミラス打倒を目的としない戦艦なら
地下の安全なところで造ればいいのに
大和にこだわった理由は何・・・?

護衛艦もつけず片道だけの燃料を積んで・・・って
戦艦大和の解説入れといて
当のヤマトはもともと闘う男の艦ではなかっただとぅ?


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冥王星前線基地のシュルツとガンツ
はじめてガミラス語らしき言語が登場。
もちろん本作オリジナルの創作言語だ。

マクロス愛おぼえていますか のゼントラーディ語もそうだったが
なんでこういう敵対軍事国家の言語ってドイツ語っぽく作るんだろうか。
ドイツってそういうイメージ?

確かにデスラーのモデルはヒトラーだし
独裁軍事国家としての下敷きはドイツ軍なのかもしれないが
戦艦大和が造られた第二次世界大戦ではドイツは日本の同盟国。

そもそも敗色濃厚での最後の望みとして
無理ゲーに旅立つ戦艦大和をモデルとしながら
なぜ仮想敵国がドイツなのか、旧作の企画意図を図りかねる。
この辺は西崎×松本の考えの相違なのか
ややちぐはぐな印象を拭えないところだ。


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EU、USA、UN、ME…
世界各勢力が貧窮する中、最後の望みとなりそうなヤマト。
そういえば1年前から分かっていた、此度のサーシャの来訪に際して
戦力を投入していたのは日本(国連宇宙軍極東支部)だけだった。
もはや日本以外に、世界には稼働している宇宙軍がないということか。

ユリーシャのもたらした情報を国連で等しく共有していたならば
恩恵にあずかりたい勢力は、そりゃもう必死で協力を申し出るはずだ。
仮に編成可能な兵器がもはや極東にしか残っておらずとも
兵卒だけを派遣するとか、物資を供給するとか
いくらでもやり様はあるはずだし、

逆にこれだけの格差が生じているなら、
日本が他国に兵力や物資を分配することもあって然るべきなのだ。
ところが、情報から1年経ってこの格差。

これの意味するところは、
ユリーシャの情報を日本が独り占めするべく1年間隠匿していた可能性、
さらには、ユリーシャおよびサーシャの来訪がなかったとしても
イズモ計画で日本人だけが脱出することを画策していた可能性
という、些か穿ちすぎな考えを持つのは僕だけだろうか。

1年の準備期間を与えながら
波動コアが一つしかないため
複数の"ヤマト"を用意しても意味がないようにしてあるのは
多少の工夫を感じた。



とにかく、サーシャはユリーシャの宣言通り来訪。
事態は全世界にとって最良の方向へ転び
日本人だけが地球を脱出するイズモ計画w は
地球を救うヤマト計画へと無事シフトされた。

ま、国連主導とか言ってるけど
計画の名前からしても日本の発案だろうし
イニシアティブは日本がガッツリ鷲掴みにしていたことは
どのみち間違いがない。



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計画変更の全容を公表する沖田艦長
スターシァのメッセージを包み隠さず公開。
突飛な発想の計画変更を説明するにはこれほど説得力のある材料はない。

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映像の先進科学的イメージは、旧作と比較すると時代を感じる。

yamato2199_02i.jpg
スターシャの声は旧作の神秘的な声とは異なり
絵柄同様、艶めかしい永遠の17歳に。

ガミラスの攻撃が旧作と異なり「放射能」によるものではないため
「放射能除去装置コスモクリーナーD」ではなく
「汚染を浄化し、惑星を再生させることができるシステム」となっている。

これがコスモクリーナーのような機械なのか、
種子や微生物を使った生態系システムなのか、
はたまた魔法やひみつ道具なのかはまったく不明である。


旧作ではこの告示のあとヤマトまで乗員のパレードがあり
yamato2199_02j.jpg そこに登場する雪の両親。

本作では雪は天涯孤独であり両親は登場しない。
さらにここ1年の記憶しかもっておらず
それがどういう意味なのかは、追々分かるはずである。
※天涯孤独じゃなかった。両親は1年前に死亡したそうです


次々とヤマトへ集まってくるクルーたち

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そのため専用のシャトルバスが運行されているようだ。ちゃんと車輪がある。

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旧作では、当時未来的表現の代表格だった透明チューブを走るエアカー。
21世紀の今、2199年に実現不可能と考えたのか
現代科学の延長上にエアカーはナンセンスだと判断したか

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そういえばヤマト艦内の「動く歩道」もなくなってるな。
※動く歩道は大阪万博当時の「未来的」先進技術でした。

旧作で、古代と島にヤマト艦内を案内する沖田。
波動砲の発射口に立つのはいいが…

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風吹いとる・・・オッサン、その風、放射能やで。



迫り来る大型ミサイルに波動エンジンの始動が急がれる
始動するのに多大なエネルギーを必要とし
それを待つのは旧作も同じだったが

本作では極東管区すべての電力を回しても足りず困窮
このとき本部の芹沢は、ヤマト計画続行に懐疑的な言葉を漏らす。

後に分かるが、芹沢はイズモ計画の可能性を捨てておらず
ヤマト内部にそのための連絡員を搭乗させている。
そのことが、旧作でオミットされたエピソード
「真田の反乱」に繋がるのかどうかは現状では不明。


yamato2199_02o.jpg
世界中から集まる電力。

人類すべての希望でありながら、
ヤマトにはなぜか日本人しか乗っていないが
世界中から最後の望みを託された艦であることを象徴している。

アメリカ結構余力残してたんじゃん・・・

このピンチ描写に置き換わったため
印象深い「艦長!動きません!」「もう一度点検せよ」
のシーンがカットされているのは残念だ。

まぁ「一発で始動に成功しないと取り返しがつかない」
という意味がよく分からないし
劇場版では一発でかかるんだけどね。(ようするに尺の問題


yamato2199_02p.jpg
で、いよいよ抜錨。
本作ではここではじめて偽装解除となる。キムタク主演の実写版もそう。
実写版では、いきなりここで波動砲撃っちゃうけどね。


yamato2199_02q.jpg ヤマト発進!!

yamato2199_02s.jpg yamato2199_02t.jpg
大型ミサイルを撃破し
爆煙から颯爽と旅立つわれらがヤマト

yamato2199_02u.jpg


余談だが

yamato2199_02v.jpg yamato2199_02w.jpg
大気圏内用安定翼はちょうど喫水線上に格納されており、
喫水線と同じく
翼の上面はグレーの甲板色、下面が赤く塗られていて
上からと下からでは見た目が異なるという拘りを
出渕監督は語っているが、う〜ん…どっちでもいいんじゃないかな。

yamato2199_02x.jpg yamato2199_02y.jpg
あと、第一艦橋が旧作より狭く感じるのは
実際の縮尺に照らし合わしているからだと思われ
各機器は、液晶パネルが巨大化し
時代に合わせたのか、別の事情か、松本メーターの存在感が薄い。


次回:一気にワープと波動砲いくよー!

posted by BIE at 04:43 | Comment(0) | TrackBack(0) | 宇宙戦艦ヤマト

2013年04月18日

宇宙戦艦ヤマト 2199 #01 イスカンダルの使者


yamato2199_01a.jpg

ジョジョが終了して、少々燃えつきた感のある昨今
皆さま、いかがお過ごしでしょうか。BIEです。

そんな中、気持ちも新たに今期のアニメで僕が観るべきは
「宇宙戦艦ヤマト2199」「進撃の巨人」の2本。

「進撃の巨人」はずっと原作読んでますが、
何度か書いたことがあるとおり、
僕は大好きな作品がアニメ化されるのをあまり喜べないタチなのと

今が絶頂でおもしろく、未だ中盤か
下手したらまだまだ序盤でしかない原作からして
アニメ版はオリジナル展開で完結することがまず確定であり、
良作となっても批判を受けることが避けられない。
それをどう受け止めるかが難しいところ。

まぁ、一度くらいは記事にすると思いますが
上記のような理由で原作と比較してみたところで意味がないため
今回はレビューを見送ろうと思います。


で、「宇宙戦艦ヤマト2199」の方はといいますと
実はDVDが出たときにすでにレビューしてまして、
今さら感があるのがまずひとつ。

更にぶっちゃけると、DVDですでに14話まで観ちゃってるので
初見の感動をお伝えするのが難しいことがふたつ。

しかし、今回のテレビ放映ではじめて観たという
旧来のオリジナルシリーズを観ていた同世代の友人と話などすると
僕としてもまた新たに思うところもあるわけで

せっかくなので、うちのサイトらしく
旧作と比較しながら観ていくことにしようと思います。

ただ、コミックとの比較と違って
映像作品の引用はハンパなく手間がかかるので
毎週更新できるかどうかは未定とします。
(そんなに期待されてないだろうけど




大前提として
「宇宙戦艦ヤマト」をそれなりによく知っている方を
対象として書きますので、よく知らない方やまったく知らない方は
とんでもない角度からネタバレが飛んでくる可能性に
くれぐれもご注意ください。



それではまず、予備知識として
旧作と本作との大きな差違を拾っておきましょう。


本作2199に関しては、旧作から40年近い年月が経過して
実際に世間で明らかになったり改められた、
科学的、生物学的、はたまた宇宙理論的など様々な考証が
付け加えられたり、正されたり、矛盾を考慮されたり

さらには、時代背景的に現代や未来に不適切な
文化や表現について、社会的な配慮も含めて
大小様々な情報の取捨選択がなされています。

代表的なものでは
・イスカンダルまでの距離が、旧作では「14万8千光年のかなた」
 だったものが「16万8千光年」に変更
・ガミラスによる地球汚染は「放射能」ではなく、特殊な有毒物質
・「地球防衛軍」なる組織は存在せず、「国連宇宙軍」

ほかにも作中の矛盾を正すために
・現実にはまっぷたつに裂壊している戦艦大和の船体を改修するのではなく
 旧時代の沈没戦艦に「偽装して新造」されたことに。(これには少しだけ興醒め
・波動エンジンは設計図の供給を受けたのは1年前
 そのとき来訪したスターシァの妹がもうひとりいるらしい。
・ヤマト内部の就労シフトが三交代制となり、
 旧作では何役も職務を兼任していた森雪の交代要員や専任要員
 それ以外にも大勢の女性クルーが設定された。
・アナライザーは「完全なロボット」であり、
 旧作のように「僕は人間だ」などと言わないし
 森雪を愛したり、ましてやスカートめくりなんてしない。
 ※ただし声優が藪・ガンツと三役共通という点は旧作と同じ


ま、
それ以前に、表層的に視聴者が最も気にかけるであろう
メカニックの意匠やキャラクターデザインが大きく変更されているのだが

西崎義展の死去や松本零士に対する、コンテンツ側のスタンスを考えると
納得のゆくものになっていると、僕は考えている。

ユニフォームのデザインは、旧作のエキセントリックなものを踏襲しながら
「仮面ライダー THE FIRST」や「キューティハニー THE LIVE」で
皮革を使った衣装デザインを確立した、本作の総監督:出渕裕が
布の縫製から鋲打ちまで考えた、リアル指向なものになっており、
ただ宇宙的、未来的なだけだった松本零士のデザインが
みごとにリファインされている。

ちなみに、出渕は重度の軍服マニアで、氏が最も好きなドイツ軍装は
おそらくガミラスの軍装に活かされてくると思われる。


結城信輝による美麗なキャラクターは
とりわけ旧作のファンには意見が分かれるところであろうが
僕的には100点満点だ。

旧作の岡迫絵とは似ても似つかないが
ヤマト自体のもつイメージは継承したいが、
しかし松本零士テイストに依存したくない制作陣の意思の結晶と捉えると、
同様のニオイを持つ「復活編」での
まるで魅力を感じないキャラたちより14万8000倍マシであろう。



前置きが長すぎるな
そろそろ本編に入ろうか。

まず、OP映像の絵コンテを切ったのは
ヤマトオタク120%で、緻密なメカ描写に定評がある庵野秀明なのだが
しまった、
これは第三話からしか収録されていないので、くわしくはまた今度。



冥王星海戦
「バカメ」で有名な物語冒頭の艦隊戦だ。

この「バカメ」の言い方ひとつのために
出渕監督はベテラン声優:菅生隆之にNGを出しまくったという。

いかにも昭和のオタらしい閉鎖空間的なこだわりが
必ずしも作品を良くするとは限らないのだが

この作品は旧作を熟知している昭和のアニメファン(オタとは言わない
のために作られていると、僕は思っているので、まぁ良いだろう。やりすぎるな。


閑話休題


とかくアニメ技術の進歩はすばらしい

yamato2199_01b.jpg yamato2199_01c.jpg
左:旧作 / 右:2199

描くのが非常に難しい独特のフォルムを持つ艦艇が
CGによって自在に動くその迫力は圧巻だ。

いささか動きが軽すぎるのが気に入らないので
その辺もう少し重たそうでアナログな動きが再現できればバッチリだ。


この冒頭の冥王星海戦、戦力の差は圧倒的歴然であり
ガミラスが侵略を開始して以来こんな戦闘を繰り返していては
地球はあっという間に戦闘力を失っていたはずである。

それでもその戦力差を省みず、
負けると分かっている戦いを恐怖を克服し強敵に立ち向かうのが
脳みそ面舵40度に傾きっぱなし軍国愛国主義者
西崎氏の理想とする男のロマンであり、この作品世界の美徳だったのだが
ぶっちゃけ、そういうアナクロな考えは21世紀には通用しない。

そのせいかどうか知らないが、

yamato2199_01d.jpg
旧作ではこの作戦中に突如飛来したイスカンダルの使い=サーシャ。

本作では
サーシャの来訪が地球側に事前に知らされていたことになっており
無謀な犬死にに見える本艦隊作戦は
この使者を安全確実に迎えるための大いなる陽動作戦だった
ことに変更されている。

使者(サーシャ)の宇宙船デザインはほぼまんまだが
yamato2199_01e.jpg 脱出カプセルは少し今風になった。

すでに事切れていたサーシャ
yamato2199_01f.jpg 「綺麗な人だな…」
えー、生身で・・・この恰好で・・・もっとツッコミどころあんだろうよ


古代たちのカプセル回収をもって本作戦は終了。
ここまでで旗艦キリシマ以外は守の"ゆきかぜ"一隻のみが残存

旧作では、いよいよジリ貧となり撤退
本作では、作戦は成功で、これ以上の損耗は無意味なので撤退。と大きく異なる。

yamato2199_01g.jpg
僕はイヤですッ!! 男だったら戦って戦って戦い抜いて、
ひとつでも多くの敵をやっつけて死ぬべきじゃないんですかッ!!

沖田の説得に耳を貸さず、我を通す兄(古代守とはよくいった

う〜ん、確かに現代じゃこの思考は理解してもらいにくいかもなぁ

この後沖田が、
おのれ悪魔め、わしは最後の一人になっても絶望しない
と、今日の屈辱に耐え、決意を新たにするモノローグがあるのだが、
このときの沖田は、
旧作では艦隊を全滅させ自分だけおめおめ逃げ帰った艦隊司令であり、
本作ではとりあえず作戦は成功。
さらに地球を救う一縷の望みが、戻ったらまだ残されているという、
「決して絶望しない」の言葉の重みがまるで異なっているのが
僕にはどうにも不満である。


あなたは地球に必要な人。
戦線に残りキリシマ撤退を援護します。

yamato2199_01h.jpg
「船乗りのうた」を皆で唄いながら特攻する"ゆきかぜ"
モノクロのアナログ回線テラワロスwww

せつなく、されど爽やかに自ら死に赴く若者たち
このときの、ファゴットだかオーボエだかの美しいメロディが
なんだか「帰ってきたウルトラマン」のエピローグを彷彿とさせる。

あれ?音楽、冬木透じゃないよね?
そのうちワンダバ言い出したりしないよね



帰還するキリシマに合流した古代たち
これが旧作では冥王星海戦から3日後だったのが3週間後に変更になってるのは
実際の宇宙船の速度とか考慮した結果なんだろうか。


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旧作ではテレビシリーズ「ヤマトIII」に登場した
古代たちの同期:平田。
土方・山南と違い、こいつはヤマトに乗ります。


遊星爆弾と赤く醜い地球
yamato2199_01j.jpg yamato2199_01k.jpg
左:旧作 / 右:2199

雪のナレーションでこれまでの経緯が語られる
2191年(今から8年前
人類は史上初めて地球外知的生命体と接触
友好関係を求めた地球に対し、彼らは一方的に戦端を開き
情け容赦のない無差別攻撃を仕掛けてきた。

第二次火星沖海戦で艦隊による地球への直接攻撃は食い止めたものの
その後彼らは遊星爆弾によるロングレンジ爆撃にシフト

地球は、遊星爆弾により大地は干上がり、大気は汚染され
あまねく生命が死に至った。



この火星沖海戦における英雄が沖田十三であり、
この海戦を機に火星の居住区は放棄されたのだと思う。

また、先にも述べたが遊星爆弾による汚染とは
旧作と違い「放射能」による汚染ではない。

yamato2199_01l.jpg
タイミング的に、東北の震災(原発事故)に配慮したのだろうと
よく言われるが、そうではなく、企画当初からそのつもりだったと
出渕はDVDのオーディオコメンタリで語っている。

余談だが、このオーディオコメンタリが非常におもしろく、
本編観てて、僕が「へえ」と思ったような箇所については
ほぼもれなくブッちゃんが解説してくれているので
機会があればぜひ聞いてください。



yamato2199_01m.jpg
ツンデレ雪との出会い

旧作で博愛の象徴だった雪が、しっかり自分を持った芯のある女性に。
熱血正義漢の自信家でグイグイ前へ出る男だった古代は、慎重な男に。
真面目一徹で融通の利かない男だった島は、南国育ちのやや軽い男に
それぞれ、キャラ付けが変更されている。
これは時勢柄を考慮した改変なのだろう。

他には、真田さんが「詩」を愛する心を持ったオトナの男になってたり
南部が大局と空気を読めないボンボンで雪のことを好きだったり

あと旧作では動物専門のヤブ医者だった佐渡先生が
ちゃんと中央病院の名医になっていたり
ドサクサにまぎれてヤマトに乗ったアナライザーが
軍用機器として正式に搭載されていたり

個々のキャラにバックストーリーがちゃんと用意され
ありえない設定は改められている。

航空隊の加藤
短髪なのは旧作と同じだが、生真面目だったキャラはちょっと「やんちゃ」風
そして加藤と同じく航空隊のエースだった山本は
本作では大きくキャラ設定を変更されているが、それはまた次回。


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コスモゼロはかっこいい

突如現れた偵察機を迎撃に出る古代と島
旧作では火星から乗ってきた機体だったが

yamato2199_01o.jpg
ここではコスモゼロに。なんで変更されたのかは不明。

yamato2199_01p.jpg
そして墜落した場所で戦艦大和の残骸と御対面。


土方が「気付かれたな」と言っているように
地球が新造戦艦を密かに造っていることに気付いたがための偵察機。

そうなんだけど、そう考えると待てよ。
旧作では、さっきはじめてスターシァのメッセージと
波動エンジンの設計図らしきものを見たんだよな。

これから作る未知のエンジンがすぐに実用化されるなんてww
とは当時、子供心にも思っていたが
現状、
ついさっきまでは放射能除去装置の存在なんか知らない。
波動エンジンの存在も知らない地球人が
イタチの最後っ屁のごとく、悪あがきするために

それも何故だか地下のドックではなく
汚染された地上に露出した艦艇を改修して新造戦艦を密かに造っていた?

不自然すぎます。
そういう不自然さもあって改変されたのかもしれません。

とすると、本作では
地球を捨てて他の星に移住する「イズモ計画」を変更して
今の「ヤマト計画」にシフトしたわけだから
もともとヤマトは移民船団の護衛艦もしくは
移民星探査船団の護衛艦として建造された可能性もあるな・・・いや、ないか。


ところで、

古代が持ち帰ったカプセルについて

yamato2199_01q.jpg
「彼女の言葉に嘘はありませんでした」とつぶやく真田が見つめる謎の装置。
この装置はヤマトに積み込まれ
ある人物と後のストーリーに大きく影響してくるハズです。


以下次回、ヤマト発進シークエンスは「抜錨」言い過ぎ。



関連記事:
宇宙戦艦ヤマト2199 2012.06.04
SPACE BATTLE SHIP ヤマト 2010.12.15


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2012年06月04日

宇宙戦艦ヤマト2199


yamato2199_a.jpg

西崎義展の没前後から、たたみかけるように
新作&リメイクのラッシュが続くヤマト

ややこしかった権利の問題がひとまずの落とし処に落ち着き
新作を作りやすくなった時期だったのだろうか

そんな新作ラッシュを目にすることなく
鬼籍に入った西崎氏の無念は如何ばかりか。


1970年代
世は勧善懲悪のロボットヒーローが全盛
そんな折に、人類愛や犠牲の美徳、男のロマン─
太平洋戦争の記憶もまだ薄れ得ぬ時代にあって
地球を救う最後の望みが日本の艦

僕たちはリアルタイムにその作品をその時代に観てきたので
今観てもおもしろいが、
描写のいたるところには時代錯誤な表現が散見され
はっきりいって古臭い作品であることは否定できないヤマト。

それが、今風の世界情勢を背景に
今風の若者たちが旅立つストーリーに改変されている
にもかかわらず
なんと、紛うことなき「ヤマト」の世界がここにあった。

第1作から数十年、
数多く作られた続編・リメイク・メディアミックスのどれよりも
第1作へのリスペクトを非常に感じる会心の出来になっている。


僕は、監督が出渕裕と聞いた時点で
実はあまり期待していなかったのだが
ここまでしっかり、ちゃんとヤマトに仕上げられると
もう脱帽するしかない。

ていうか、謝罪する。ごめんよブッちゃん。



まず感心するのは旧作で疎かにされていたと思しき設定や描写が
新たに設定し直され、説得力を増している点。

第1作から40年近くの時を経て実際に明らかになった事柄として
14万8000光年のかなたの大マゼラン青雲は
16万8000光年のかなたの大マゼラン銀河 に改められ

現実には大きくふたつに裂壊して沈んでいる戦艦大和を改修したのではなく
戦艦大和の残骸に偽装して建造されたことに変更された。


地球防衛軍は国連宇宙軍とされ
ヤマト発進の危機に電力供給するのが精一杯である世界各国の
ヤマトに依存するよりない困窮事情が語られた。

また、設計図入手からヤマト完成が早すぎるという指摘を
スターシャの使いを二人にし、サーシャの1年前に
末の妹ユリーシャをすでに使わしていたことに変更。

さらにそこに絡めて、ヤマトに積み込まれた謎のカプセルと
かつて松本零士が可能性だけほのめかしていた
森雪=イスカンダル人の伏線を、ここにきて活かしてきた。


冒頭、沖田のキリシマ率いる第一艦隊が全滅した海戦は
戦力差を顧みない無意味な犬死作戦に見えたのを
イスカンダルからの使いを確実に迎えるための陽動作戦だったことに改変

物語序盤で登場するガミラス冥王星前線基地の
シュルツとガンツの肌が青くないことの説明にセリフを追加
植民地からの下級移民で立場が低いという設定は確か元々あったんだよね。
(デスラーも初めは肌色だったことは、まあ触れるな


などなど、説得力を持たせるために追加されたゴタクが
わかりやすく、わざとらしくなく、実に丁度良い。


上下の概念が本来無いはずの宇宙において
轟沈した艦艇が下に落ちていくなど、
もともとヤマトには不自然な描写はあれど
そういうことも含めて、
艦艇の動きは旧大戦時を彷彿とさせるような
重々しいアナログな動きをしてこそヤマトだと思うので

新たにCGで描かれた戦艦の動きが軽すぎるのが残念なことと
冒頭の冥王星陽動作戦において
通用しないことがわかっているレーザー砲撃をやめて、実体弾を何故使わないのか
など、締めきれていない描写もあるにはあるが
概ね満足だ(えらそうだな。


原盤が劣化して使えず、スコアも失われ
作曲した宮川泰もすでに故人となってしまった劇伴は
宮川の実子:宮川彬良が担当し
超絶なる耳コピ能力で当時のサントラを再現している。


ここまで第1作を意識した作りになっていると
イメージの差違として如何ともしがたいのはCVだが

オリジナルキャストにはすでに鬼籍に入られた方も居るし
こればかりは20歳そこそこの若い活力を演じるためには
今の声優でないとダメだろうから、一新されるのはかまわない。
当てられたキャストにも概ね不満はないが

なんとなく、なんとなくだが、アナライザーだけは
オリジナルの緒方賢一に演じてもらいたかった気がしないでもない。


キャスト発表で、
島大介のCVが鈴村健一となっているのには違和感を感じたが
実際に見てみると、島は旧作のような生真面目で融通の利かない男ではなく
沖縄出身のちょっとチャラいノリの男だったので
じゃあ鈴村でいいやと、妙に納得した。
この島の大きなキャラ改変になぜだか不満はない。



旧作の「さらば〜」や「〜永遠に」でヤマト艦長を務めた土方と山南が
沖田の戦友・部下として登場することで、
沖田まわりの、ひいては古代や島をも巡る人間関係を重厚にしているが
顧みるとこれは
「さらば〜」以降の続編を作るつもりは毛頭無いことを意味しており
その潔さと、本作に全てを詰め込み、
掛ける意気込みが伝わってくるのはすばらしい。


そして
設定云々の改変に、24時間常に厳戒態勢のヤマトにおいて
勤務シフトは綿密に管理されて然るべきでありながら
森雪が複数の役職を兼任するのは不自然かつ、非合理的ではないか
というのがあり、
旧作で森雪が担当していた職務をカバーする女性乗務員が
数名設定された。

ま、そうでなくとも、今風に作り直すなら
女性クルーが雪ひとりなんてことになるハズはないので
ここは上手く整合性がとれているとも言える。

そんな中
森雪の役職とは関係なく新たに設定された謎のキャラクターがいる。

yamato2199_b.jpg
主計課に配属されながらも兄の遺志を継ぎパイロットにコンバートする
山本玲である。

航空隊の山本といえば、旧作では加藤三郎と並ぶエース。

ちなみに安永航一郎は
yamato2199_c.gif yamato2199_d.jpg
こんな風に茶化しており、これはこれで爆笑させてもらった。

キムタク主演の実写版では、相原や佐渡先生が女性だったり
森雪がエースパイロットだったりという改変があったが
第1作を異常にリスペクトする本作において
単に山本を女性化しただけのキャラが登場するとは考えにくい。

玲の死んだ兄:明生と旧作の山本との関係性もわからないし
深いエピソードがあるのかどうかは今のところ不明である。

ここだけは、今のところブチ監督の意図を計り知ることができないので
今後の展開に期待する。



第1作を今の考証、今の技術でリメイクする「宇宙戦艦ヤマト2199」
旧作で不自然だった展開や物語の繋がりを紡ぎ直し
時間の都合や技術的な問題で
描写しきれなかったエピソードを追加することに期待するならば
森雪が隠している謎もさることながら

「果たして真田さんは反乱を起こすか」

「守はハーロックになるのか」


この2点がもっとも気になるところなのである。
全26話。今後に期待大だ。


松本零士の関わり方(度合いを考えても
まぁ、ハーロックはないよな・・・なくていいよ。
ありませんように・・・



posted by BIE at 10:10 | Comment(4) | TrackBack(0) | 宇宙戦艦ヤマト

2010年12月15日

SPACE BATTLE SHIP ヤマト

噂のSPACE BATTLE SHIP ヤマトを観てきました。

yamato.jpg

世間では、古き名作をCG満載で満を持して完全実写化という点から
邦画史上空前の問題作となった「デビルマン」と比較されがちな本作

確かにデビルマンの時もそうでしたが、
事前プロモ映像をどう贔屓目に見ても面白そうじゃない

古い作品だし変に今風に改変してもファンのイメージを壊してしまう
落としどころが難しいネタだが、それは重々承知の上で制作しているはず。
面白そうなプロモ映像を作れない監督に面白い映画が作れるワケがない
観てもつまらないに決まっている。

しかし、それがどれだけ分かっていようが、
リアルタイムで原作を視聴していたナチュラルボーン・アニメ好きの僕として
観に行くのは、これはもう義務なのです。

当然というか意外というか
14日のTOHOシネマズディの夕方6:30〜の回だというのにガラッガラ
キムタクが番宣しまくってた理由がよく分かりました。



以下感想(激しくネタバレ含みますので注意
とりあえず思ったことを箇条書き(追加するかも

・1作目と「さらば」の美味しいとこ取り
 描きたいエピソードが多すぎたのか個々のディテールに時間をかけすぎ
 結果、イスカンダルまであっという間に着いちゃった感がある。
 
・そんな短い間に古代と雪が愛し合う過程がちょっと・・・
 そのためのイベントを挟むのでこれまた尺が足りなくなる。
 あと、ワープの最中にSEXするな
 てか全乗組員がワープ中に気を抜きすぎ。

・森雪はツンデレ

・名ゼリフがたくさん再現されてて嬉しいが
 真田さんの「古代、俺はお前を実の弟のように思っていたぞ」はムリ
 原作では地球の命運を懸けた命がけの旅を二度共にしているからこそ出るセリフ
 初対面から1時間やそこらで言われても。

・兄を見殺しにしたと忌み嫌う、沖田と同じ判断をしたことで落ち込む古代が
 実際に手を汚させた雪に詫び、慰め合う
 ここでラブシーン突入ってのは、いわゆる"傷の舐めあい"というヤツでは

・ガミラスが原作のような、総統率いる規律ある軍事国家ではないため、
 能動的な戦略や新兵器を用いて攻めてこない。
 そのため、浮遊大陸や反射衛星砲、デスラー機雷、アステロイドベルトなど
 印象深いエピソードがすべてオミットされた。

 ドメルは出てこないが、ドリルミサイル(っぽいもの)と
 第三艦橋に取り付いて自爆のくだりはある。

・ガウォークするコスモ=ゼロ

・古代は波動砲に頼りすぎ
 というか波動砲以外の武器の描写がいいかげんすぎて泣けてくる。
 たとえば主砲はキリキリとアナログな音を立てて回頭してほしいが、
 「ギュン!」と一瞬で狙いを定めて連発
 パルスレーザーは撃ってる画があるだけでどんなチンケな豆鉄砲か説明無し
 艦首魚雷や煙突ミサイル、ロケットアンカーは出てこない。

・地球に降り注ぐ隕石(遊星爆弾)、若き精鋭が元凶へ乗り込む
 主人公が単身居残り犠牲に、主題歌がスティーブン・タイラー
 という点がアルマゲドンとかぶりすぎ。海外戦略のためだとしたらあざとすぎる。

・軍艦マーチのような主題歌を今さら使えない(作品内容とも合致しない)ため
 ささきいさおをナレーションに起用、
 イスカンダル(スターシア?)にアニメでも二代目スターシアを演じた
 ささきいさおの奥方上田みゆき、アナライザーに緒方賢一
 そしてデスラーに伊武雅刀
 こういうサービスはうれしい。

・なんといっても特筆すべきは、柳葉敏郎演じる真田さん。
 柳葉本人がなりきって演じたと言っているが、
 病床の青野武が降りてきたかのような真田ぶり(撮影時は入院前だが)
 真田さん過ぎて逆に浮いてて、笑ってしまう。


でもトータル的に、期待以上の出来だったと思います。
(期待してなかったのだから当然だが)

もっとも残念だったのは、
やはり"尺"が足りなくて14万8000光年の長旅を感じられないこと。

ヤマトが波動砲とワープが使えるだけのただの戦艦に感じてしまうのも残念。
エネルギー吸収ガスから逃げるためにコロナの柱を波動砲で撃ったり
溶ける危険を冒しながら濃硫酸の海へあえて潜ったり、
波動砲の使い方ひとつにしても、そういった血湧き肉躍る展開があれば
優れた艦長が率いるあなどれない艦となったものを

沖田艦長たいしたカリスマを発揮しないまま死んじゃうし
これ、続編できたとき英雄の丘で銅像になってるのは
どう考えても古代ですよね。


タイトルを英語にしたのは海外進出を視野に入れているからというが
上で述べたように「アルマゲドン」を意識しまくっている割りには
アメリカでの上映は予定されていない。

地球規模の災厄を救うのが日本の艦で、それが「ヤマト」というのは
太平洋戦争における日本最後の希望「大和」を顧みれば、
仮想敵は米国かよ!となり、
やはりアメリカ的に歓迎できないのだろうか。



最後に、聞き間違いかもしれないんだけど
終盤、ガミラスを脱出する際
メイサ「私のコスモタイガーが飛べます」って言わなかったか?
艦載機はコスモ=ゼロとブラックタイガーしか出てないと思ってたんだけど。

追記:
公式サイト見てきたら、
隊の名称はブラックタイガー隊で、乗機はコスモタイガーでした。
何か釈然としませんね







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