2016年08月04日

真田十勇士


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大坂の役から400年、
大河ドラマは「真田丸」で盛り上がり、今年はすっかり真田イヤー。
僕は大阪在住で玉造にもしょっちゅう行くので
「幸村ロード(そういう小路が在るんだ)」もすっかりお馴染みだ。

日本中が「真田幸村で稼ぐなら今しかない!」と考えている。

そこで、2014年に舞台劇として評価が高かった
中村勘九郎主演の「真田十勇士」が、スクリーンに殴りこみだ。


余談だが:

「真田十勇士」ってのは、
真田幸村に仕えた屈強な家臣たちのことだが、
実は、講談から小説に派生した物語に登場する、ほぼ架空の人たち。

ってか、そもそも「幸村」自体が、
創作の中にしか名前が出てこない、信繁をモデルとした架空の人物なので
十勇士の実態も、まぁ推して知るべしって感じだろうか。

ちなみに、今やってる大河ドラマの「真田丸」には
「佐助」なる名前の忍が登場するが、「猿飛」とは名乗っていない。

諸説あるけど真贋疑わしい(けど、そうだったら面白い的な)説や記録を
巧く脚本に絡めている(気がする)三谷幸喜なら、
「十勇士」もさり気な〜く盛り込んでくる気がしないでもないが
主役は「信繁」で通すみたいだし、大河ドラマでそれはないか。

まぁ、十勇士には実在のモデルがいる人もいるそうだし
その人物が登場したら、
史実にはないが「講談」などでご存知の行動をとるかもしれないな。


〜閑話休題〜


そんな「真田十勇士」の猿飛佐助を主人公とした、
よく知られた物語とはまったく異なる舞台劇が本作だ。

「あらすじ」はこんな感じ

“天下に並ぶ者なし”の名将として名高い真田幸村は、
持ち前の運だけで戦国の世を勝ち続けてきたが、
実は世間での自分の評判にすら気後れする凡百な男だった。

口だけ立派で考え無しの猿飛佐助は、
幸村を「本物の英雄」に仕立てあげる計画を練る。そのための演出として、
曲者を方方から引っかき集め、俗にいう「真田十勇士」を誕生させた。

幸村の名を真に高める最高の舞台、〈大坂の役〉が始まる!!



堤幸彦監督と聞くと、僕は嫌な予感しかしないのだが
舞台版の演出も堤幸彦だったらしいので、さすがに期待してみてもいい。

キャストは、舞台と同じ俳優たちが大勢登場。
そんな中、
猿飛佐助:中村勘九郎、霧隠才蔵:松坂桃李と並んで
主役級の扱いを受けている謎のくのいち「火垂(ほたる)」。
舞台では比嘉愛未が演じていた「火垂」を、今回の劇場版では大島優子が演じる。

舞台版も今年再演されるそうで、そちらでは才蔵も火垂もキャストが異なるのだが…
(「火垂」役は篠田麻里子だってよ・・・)それはまぁ、また別の話だ。

その、三人が勇ましいポスターを、今日電車内で見かけたのだが
瞬間、言いようのない妙な違和感を覚えた。


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なんだろう・・・何がおかしいんだろう・・・



sanada10_b.jpg これか!


大島優子が構えてる弓が・・・まったく「しなって」いない。
これ・・・この弓、射てないぞ。
矢をつがえなかったら、弦ビヨンビヨンじゃないか・・・

う〜ん・・・

ストーリーは面白そうなんだ。舞台で成功してるしな。
だから問題は、スクリーンでの公開に相応しいように、何をどう変えてくるのか。
スケール感、臨場感、迫力などを盛ってくると思うんだ。

それなのに、その肝心の「画作り」がこんなに杜撰でどうする。

信用していいのか!堤幸彦。
僕は期待してるんだぞ。

映画は9月公開だが・・・別に皆さんにオススメはしない・・・

posted by BIE at 02:36 | Comment(1) | TrackBack(0) | 映画全般

2016年03月16日

ちはやふる [上の句]


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「ちはやふる [上の句]」の試写会が当たったので見てきた。

原作は、言わずと知れた既刊31巻大人気連載中の
実にストイックな、スポ根"競技かるた"漫画「ちはやふる」。

現在二期まで作られたアニメ版の完成度がすこぶる高かったため
正直、僕は実写版にはまったく期待していなかったのだが
決して悪くない出来だった。

映画には時間の制約があるため、
エピソードの省略や前後の入替えがかなり大胆にされていることもあり
原作の再現度という意味では、シナリオに納得出来ないファンも少なく無いとは思う。

しかし、キャラクター造形や世界観、
また普段我々があまり目にすることがない「競技かるた」の
長所短所をディフォルメして見せる演出など、「色(彩)」といい「熱」といい
紛れも無くこの作品は「ちはやふる」だった。

確かに、太一のキラキラ感が絶望的に足りなかったり
机くんがキモオタ風だったり
かなちゃんが巨乳じゃなかったりするのに違和感はあるが
太一の美形度は実写で実現するのはおそらく不可能だし、
(ファンの方には申し訳ないが、僕は野村周平をイケメンだとは思わない。)
原作の机くんはキャラが薄すぎるので、
短い作品ならこれくらい逆ベクトルにアクが強くても構わない。

人気コミックの実写化に際しては
「原作のイメージをどう取り込むか」という課題の昇華具合、
もしくは逆に、どう飛び抜けて「はっちゃけて」いるかが焦点となる。

そんな中
「キャスティング在りきかよ」と、安易な人気女優の起用を穿った目で見ていた
主人公:綾瀬千早役の広瀬すずは

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原作者も「美人過ぎる」と太鼓判を押す、突出した存在感を醸し出しており
さらに「熱血かるたバカ一代」のドタバタ演技も、白目を剥いて気を失う様も
紛うことなき綾瀬千早がそこに居た。

もう千早の存在感だけで「ちはやふる」たり得ている、と言ってもいい。


残念なことは、子供時代のエピソードが軽々に扱われているところだが
全編通して「あのエピをきっちり描いていたら、ここはもっと深く描けたのに」
という不満が絶えず付きまとうのは、長編原作を持つ映画の宿命なので
過去に思いを馳せるよりは、[下の句](後編)で
どれだけ世界観を補完してくるか、に期待することにした。


chihaya-sw.png 間違えたw

とにかく、広瀬すずがものすごく魅力的だ。
彼女を好きな人、好きになりたい人にはぜひ見ることを薦める。

・・・まぁ、演技は「一平ちゃん夜店の焼きそば」CMと同レベルだが・・・

posted by BIE at 11:04 | Comment(0) | TrackBack(0) | 映画全般

2015年08月17日

ターミネーター:新起動/ジェニシス


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遅ればせながら、
「ターミネーター:新起動/ジェニシス」を観てきた。

事前に聞いた評判では
「これこそまさに、T1・T2の正統なる続編だ!」とか
「名タイトル特有の「沼」にはまり込んでいる」とか
賛否両論、両極端な意見を聞いていたんだが、
実際に映画を見て、なるほど・・・と思ったね。

そのどちらの側面も持っていると、僕も感じたからだ。

ファンが「T1・T2の正統なる続編だ」と声高に言いたくなるには理由がある。

知っている人には今さらだが
ターミネーターはT2の後にもT3、T4と続編が制作されているが
いずれも評判があまりよろしくない。
(T4は良かったという人もいるが、僕はそう思わなかった)

T1・T2を製作・監督したジェームズ・キャメロンをして、
「あの物語はT2で完結しているのだから不要の作品」と言わしめた。
(完成品のスープに小便をかけられた、と言ったとか・・・)

しかも、T3ではサラ役のリンダ・ハミルトンが、
T4のときは続編製作を望んでいたはずのシュワルツェネッガーが
それぞれ「この作品にはドラマがない」と出演を拒否したといういわくつきだ。
(カリフォルニア州知事として多忙だったということもあるが。

そのため、T3は公式にほぼ無かったことに、
T4はジョン・コナーが未来で指導者として成長するまでの話なので
辛うじてT1・T2における結末との齟齬が少ないからか、
正史とは認めにくいものの、参考知識として認識しているファンが多いと思う。

T4公開と前後して、TVシリーズ「サラ・コナー・クロニクルズ」が放映され
こちらはT3をまったく無視した、異なる時間軸で紡がれるT2の後日譚。
当時も「これこそT1・T2の正統なる続編だ!」と評価が高かったが
いかんせん、シュワルツェネッガーが出ないターミネーターなど
「クリープを入れないコーヒー」みたいなものだ。

そこへきて、満を持しての「新起動/ジェニシス」だ。
T1・T2と、それを生み出したジェームズ・キャメロンに多大なるリスペクトを払い
練りに練った脚本と、最新のVFX技術による高精細でド派手な映像、
シュワルツェネッガー主演で繰り広げられる新しいターミネーター。

しかし、その「練った脚本」と「ド派手な映像」が少し曲者で
時間軸や人間関係がやや難解で、「ん?どゆこと?」と思っているうちに
あれよとド派手なバトルに巻き込まれ、
シリーズ本来の持ち味である、
人に紛れた殺戮兵器がもつ静かなスリル、を感じる機会は殆ど無い。

見終わった後も、「あれはどういうことだったんだろう?」
「誰があんなことをしたんだろう?」という謎が残ったままだが、
本作は三部作の序章とのことなので、
三部作が完結するまですべての評価を下すのは難しい。

T4も三部作の一作目の予定だったが制作会社の倒産などの理由で
続編は作られなかった。
本作はくれぐれも完結まで制作してもらいたいと、切に願う。


さて、ここからは激しくネタバレを含むので注意して読んでほしい。
また、T1・T2の内容をよく知っていることを前提に書いているので、
知らない人はごめんなさい。

物語は、T1の前日譚(といっても時間軸は未来)からはじまり
すぐに、観たことある映像が目に映る。

1984年のとある夜、フォークリフトのおっさんの目の前に
雷鳴とともに突如現れた全裸のマッチョマン。
それをからかうバイカーの不良パンク3人。
ビルの谷間の空中に現れドサリと落ちるカイル。
ズボンを奪われるホームレス。
警官に追われ、閉店後のスーパーに逃げこむカイル・・・

丁寧にT1をなぞった映像にニヤニヤするのも束の間、
すぐに観たことない展開に突入する。

我々が見知った歴史を、同じく熟知した何者かによって
すでに先手が打たれていたのだ。

カイルを追う警官の中には、T2でお馴染みの液体金属ターミネーター
T-1000が紛れ込んでおり、カイルが今日ここに来ることを知っていた。

そして
T1では、ただ怯えるだけで現状を理解するにも時間がかかったサラが
強くたくましい戦士として現れ、カイルを救った。
しかも味方にT-800を引き連れて・・・である。

物語の舞台は移動し、
スカイネットが起動するはずだった1997年ではなく2017年へ。
その世界では、あらゆるデバイスに夢のOSとしてインストールされた
サイバーダイン社の「ジェニシス」が、
世界中のコンピューターを繋いで、まさに起動する直前だった。
(開発者は、あのダイソン親子

そこでカイルとサラの前に立ちはだかったのは、なんとジョン・コナー。

カイルを送り出す刹那に、人に擬態したターミネーターに襲われたジョンは
細胞から組成を作り替えられて、新型ターミネーターT-3000と化していた。

敵は、自我を持ち、今や誕生せんとする人工知能「ジェニシス」と
その開発に寄与し、それを守護するT-3000。T-3000は、
人だった記憶を有しているがもはや人に戻ることが叶わないジョンだ。


自分たちを殺すことは出来ないだろう?と詰め寄るカイルとサラに対し
自分はすでに存在している。
両親を殺したとて、自分が存在しなかったことになるとは限らない。

と言う。

これはタイムトラベル物の根幹をなす大きな矛盾「親殺しのパラドックス」だ。

科学や物理法則で明確に定義づけることは出来ないので
想像上の仮想理論に過ぎないのだが、
分岐点で異なる未来が生み出されて存在したものであろうとも、
すでに在るものを、特定の因果を理由にその存在を否定することはできない。
とかなんとか・・・

う〜ん・・・これを言っちゃうと、
そもそも1984年のサラを殺す必要が無くなっちゃうんだよな。

2029年の未来でT-3000がジョンを乗取った時点で、
その世界ではスカイネットの勝ちなのだから、
別の並行世界に飛んだサラやカイルが何をしようとも
相手にする必要はないのだ。

しかしこれは三部作の序章。

事実、ラストには
完全に破壊した「ジェニシス」の基幹データとサーバーとは別に
本体(もしくはバックアップ)らしきものが残されていたし、
2029年の時点では、スカイネットがT-3000を開発できたとも考えにくいので
さらに未来からの介入も考えられる。
そもそも9歳のサラをT-800に襲わせたのは何者か。
それを阻止するべく別のT-800(おじさん)を送り込んだのは何者か。
ふたりのカイルが為す役割は何か。(これは今回限りかも…)
など、残り2作に期待する要素も盛りだくさんだ。

ストーリーは練り過ぎでやや難解、画面作りにも間違ったこだわりを少し感じるが
本作は間違いなく「T1・T2の正統なる続編」と言っていい。
「I'll be back」も「Come with me! if you want to live!!」も、もちろんある。
ターミネーターファンならば、必見の作品だ。

あと、余談になるが:

僕的に少し残念だったのは、T-1000役のイ・ビョンホンがまったく魅力的でなく
T2のロバート・パトリックの存在感の足下にも及ばなかったことだが、
これは、本作におけるT-1000は最強の敵でもラスボスでもないため
あえて扱いが軽いと思うよりない。 残念だが、これは仕方ない。


そして、最後に特筆すべきことは、
サラ・コナーが可愛い! これに尽きる!!

サラ役のエミリア・クラークがめっちゃ魅力的なのだ。

こう言っちゃなんだが、リンダ・ハミルトンはブサかった・・・よね・・・
T2では「強い母親」だったので、鶏ガラのような容姿も容認できたが、
T1時代のリンダを彷彿とさせるキャスティングだったならば、
本作の僕の評価もまた変わっていたかもしれない。

T1ではサラの設定年齢は19歳。
現在28歳ととても思えない、ピュアなエミリア・クラークに魅了されるべし。

9歳のときにT-800(おじさん)に保護され
それ以来10年間、T2のジョンさながらの「生き抜く術」を叩きこまれた戦士
として見ると、筋肉も足りないし頼りなさ気なんだが
その柔らかそうなBODYがまた魅力的だ。

大事なのでもう一度言う。

サラ・コナーが可愛い! これに尽きる!!

posted by BIE at 00:11 | Comment(0) | TrackBack(0) | 映画全般

2013年11月27日

小栗ルパン キタ━━━(゚∀゚).━━━!!!


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もうずいぶん前から噂されていたので
ただのヨタ咄か、もしくはとっくにお蔵入りしたと思われていた
小栗旬主演による実写ルパン三世が現実のものとなったようだ。

目黒祐樹主演による「念力珍作戦」から40年ぶりの実写映画化だ。

まぁ40年ぶりとはいうものの、
「念力〜」は作品として「ルパン三世」を撮ろうというスタンスではなく
映画のジャンルとしては、コメディ作品の地位が非常に低かった時代の
いち娯楽映画の単なるネタ元だっただけであり、

そういう意味では、今回が「ルパン三世」をまじめに実写映画化する
初めての試みと捉えてよいと僕は思っている。


キャストは、
ルパン三世:小栗旬
次元大介 :玉山鉄二
石川五ェ門:綾野剛
峰不二子 :黒木メイサ
銭形警部 :浅野忠信  

監督は「あずみ」の北村龍平で、公開は2014年夏だそうだ。


キャストを観た感じでは、すでに悪い予感しかしないのだが
今どきのマンガ(アニメ)原作の映画であれば、こんなもんだろう。

アニメにイメージを寄せても離れても苦情必至のコンテンツだけに
どういう映像化が為されるのかが注目点だ。

昨年、27年ぶりの連続TVシリーズとして作られた
「LUPIN the Third -峰不二子という女-」(これについて書いてなかったね)
は、すばらしいオリジナリティを発揮していた。(作品の評価とはまた別の意味)

これを例に、紀里谷和明とか蜷川実花のような
アバンギャルドな映像美に特化した実写ルパンも面白いかも
とか考えていたが、

安易に、堤幸彦や三池崇史にオファーしなかったことだけは
とりあえず評価する。


アニメをそのままそっくり実写化することに意味はない。
それがしたいのなら、ピクサーにでも依頼してCGにしたほうがマシだ。


僕は個人的に"役者"としての小栗旬をまぁまぁ評価しているので
彼が熱望したという彼なりのルパンを期待してみることにする。

ただ、小栗が大のマンガ好きであることが引っ掛かってはいるのだが・・・。


BGMが大野雄二の既存のルパンサウンドに頼らない新造だったらいいなぁ
主題歌には何も望まないから

タグ:ルパン三世
posted by BIE at 10:51 | Comment(0) | TrackBack(0) | 映画全般

2012年08月19日

映画 ひみつのアッコちゃん


見た目は大人、頭脳は子供

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映画「ひみつのアッコちゃん」の試写会へ行ってきました。

試写会チケットが当たった知人が急遽行けなくなったため
チケットを譲り受け
正直まるで興味なかったのですが、話のタネに観に行きました。


小学5年生の加賀美あつ子は、鏡の精から魔法のコンパクトをもらい
何でも好きな自分になれる能力を手に入れる。
もともと化粧が大好きで早く大人になりたかったアッコは
化粧品会社の社員である尚人=岡田将生と出会い
22歳の姿で契約社員になる。

子供ならではの遠慮のないふるまいや言動をコミカルに描き
忌憚のない意見が会社を救う重要なヒット商品のヒントになるなど
トム・ハンクスの「Big」を下敷きにしたかのような本作。

脳みそ小学生の女子大生:アッコの天真爛漫ぶりを演じるのは
昨今TVに映画に引っ張りだこの綾瀬はるかで

オーバーアクションで馬鹿みたいなことを言ったりやったり
はた目にちょっとイタい天然演技は
綾瀬はるかが適役というか、彼女にしかできないというか
でも同時に違和感もあって・・・

・・・しかしこの既視感は何だろう・・・と考えると

つい最近「映画 ホタルノヒカリ」を観たのを思いだした。
ホタルノヒカリではいい年の大人がガキみたいな妄想やじゃれ合いに
延々デレデレする様子が目も当てられず、酷い映画という印象しか持たなかった

本作では中身が子供という設定の分だけ、まだ受容できないこともないが
素で「天然」の綾瀬はるかに「天然」キャラを演じさせるのは
演出としてどうなのよ?という気がしないでもない。

本作の魅力は、その
アッコの見た目と不相応な振る舞いのギャップだけといっても過言ではなく
要所で無知や勘違い、不作法な行いを可愛くやってしまうのを楽しむ映画で
概ね間違ってないと思う。

これは否定的に言うのではなく、割り切ってみれば楽しいという意味で
物語の展開上いろんなひとに変身するアッコが、
どんな姿でも同じような天然な言動をするのは確かに面白く
とりわけ大杉蓮の女の子演技は白眉である。


赤塚不二夫の原作マンガが世にでで50年
・・・の割にはとくに50周年記念作品と銘打たれるでもなく
フジオプロの公式サイトでも扱いが小さい本作

全体のストーリーとしては、プロットが陳腐で捻りも足りず
大人社会へ向けた子供の率直でピュアな正論が人々の目を覚まさせる
なんて現実ではあり得ない展開に驚きも感動もとくにない。
内容的にもあっちへこっちへただ無駄にバタバタしていて
間延びした印象があり2時間かける内容ではない。

決してオススメしないが、
想像していたよりは面白かったと評しておく。


余談だが:
「ホタルノヒカリ」でも綾瀬はるかの子供時代を演じていた吉田里琴が
本作でも10歳のアッコを演じているのだが、この子

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貴乃花親方に似てないですか・・・?

posted by BIE at 08:47 | Comment(0) | TrackBack(0) | 映画全般

2012年04月18日

「テルマエ・ロマエ」観てきた


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映画「テルマエ・ロマエ」の試写会が当たったので行ってきた。

亀山千広のフジテレビ映画制作スタッフによる
緻密で丁寧な作り込みは
「のだめカンタービレ」の武内英樹監督を擁して
原作ファンも納得の出来。

筋骨隆々な生粋の日本人が大真面目に外人役でコメディを演じ
しかも全裸という"画"的なギャップに
会場は終始笑いが絶えなかった。

後半のオリジナル要素が
原作ファンにどう受け取られるかがやや気になるところだが
完結していない作品を2時間でまとめ上げるにはいたしかたなく
それでも十分いい作品に仕上がっていたと僕は思う。

ローマ帝国の勢力拡大の歴史もさりげなく理解しやすくなっていたし
時間の経過や上戸彩がラテン語を学習するに至る経緯にも無理が無く
TVドラマ的でいささか安易な展開も無くはないが
コメディでありながら、人情物語としての昇華度合いもレベルが高い。

主演:阿部寛の肉体美はコメディ作品におけるギャップと
画面を引き締めるスパイスとして十分以上に機能を果たし
キャスティングの妙に脱帽するしかない。

「のだめ〜」では外国人の役を
日本で活躍する外人タレントや、ハーフのタレントに演じさせていたが
その時の竹中直人の付けっ鼻から考えると、
同じ監督がよくここまでの発想の転換をしてくれたと感動すら覚える。


個人的な見どころは、ヒロイン上戸彩。

公式サイトや刊行物、予告編などを見たところ
ボカしてあるようなので詳しく書かないが、
後半の衣装がすごくエロ・・・魅力的なので注目するべし。

僕は別に上戸彩のファンでもなんでもないが
「観る価値有り」と言っておこう。


余談:
原作でも女好きで軽薄で救いようがなかったケイオニウスだが
根っから悪い奴ではなかった。
残念ながら、北村一輝演じる本作のケイオニウスは『いやな奴』だ。

posted by BIE at 06:34 | Comment(0) | TrackBack(0) | 映画全般

2011年03月02日

あしたのジョー

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いろんな意味で出来がビミョーらしい「GANTZ」とどっち観ようか
さんざん迷ったあげく、
ネットでの評価が概ね良好な「あしたのジョー」を観ることに。

ストーリーは今さら言うまでもないので割愛しますが
ちゃんと「あしたのジョー」でした。

とりわけCG畑での実績ばかりが目に付く曽利文彦が監督なので
いったいどんな出来になるのか期待薄だと思っていましたが
打撃のスーパースローや回り込み撮影以外には
とくに鼻につくほど目立ったCG描写がなく

ヤマトを撮った山崎貴監督の「ALWAYS 三丁目の夕日」と真逆のベクトルで
昭和中期をみごとに表現していたと思います。
もう少し空がくすんでいても、らしかったと思いますが

主演:山下智久という時点で、ジャニオタが観ることを意識しているからか
食いつめ者が流れ着く昭和の貧民街の描写もあまりヘビーすぎず
"拳闘"という、現代のボクシング以上に「死闘」というに相応しい
野放図な男の闘いをもライトユーザーに受け入れやすくなっていると感じました。


やはり特筆すべきは
矢吹丈:山下智久
力石徹:伊勢谷友介 の肉体の作り込みで

監督が監督だけに、どうせCGで修正するんだろうと考えていましたが
侮っていました。

本作撮影に当たり体脂肪率を、山下は5%、伊勢谷は3%まで落としたそうで
それでいてガリガリではなく
実にシャープで精悍な戦士の肉体を作り上げてきました。

有名な減量苦のくだりを経て、
ほんの数秒しか使われない計量シーンでのあばらが浮いた力石の肉体。

さすがにここだけはCGじゃないのかと疑いたくなるゲッソリ具合が
何とあれも伊勢谷が実際に作った肉体だったそうで
主役ふたりの役者根性にひたすら脱帽です。

白木葉子お嬢様の生い立ち以外はさほど大きなアレンジもなく
(西との出会いやウルフ金串の所属など細かな改変はある)
漫画版・アニメ版に慣れ親しんだ僕にとっては
この昭和の名作を、今の観客にどう見せるのか・どう再現するのかが一番の見所で

肉体の作り込みがマスコミに過剰に取り上げられたため
いかに体だけそれらしく作っても、試合内容が実際のボクサーの鑑賞に堪えない
などの批判もされたようだが、そんなことはあたりまえで
そんな枝葉末節のリアル描写は無くてもいっこうに構わないのである。

これはドキュメントではない。
連載開始当初はボクシングのルールもろくに知らなかった漫画家が作画していた
子供向けの娯楽漫画なのである。

ノーガードの丈に"フルスイング"でなぜか"左ストレート"を打ち込む力石だとか
カーロス・リベラばりの目にも留まらぬ高速ジャブだとか
ディフェンスをまるでせずただブルファイトの選手たちとか

その辺の漫画的表現も実に絶妙な再現性だったと僕は感じた。
鑑別所での丈vs力石のクロスカウンターなんか文句の付け所のない完成度だ。


ただ、惜しむらくは
白木葉子役の香里奈が、昭和の女性に見えないことと

丹下団平が、見た目もしゃべり方もあまりに丹下団平すぎ
名優:香川輝之が演じている意味を感じられなかった
(あれほど完璧にメイクして物まね演技なら誰が演じても同じなのでは?)
のが残念だ。

そういう意味では、
丈も西もおっちゃんも原作通りのキャラクターに終始しており
そんな中、ただ力石だけが伊勢谷友介らしさを持っていたと言える。

伊勢谷友介の魅力を再発見し、観ていなかった「CASSHERN」を
今さらながら観てみようかと思わされた昨日。

なかなか良作でした。
posted by BIE at 10:32 | Comment(2) | TrackBack(0) | 映画全般

2009年09月19日

大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説

先日ボロカスにけなしたウルトラマンゼロが出てくる今冬の劇場版

YouTubeでトレーラーを観た

ゼロはあんまり出てこなくて
ベリアルの無双っぷりばかりが印象に残る。

しかしどうやら物語の舞台が宇宙になってしまったらしく
ウルトラマン同士の物語が展開されて
ウルトラマンの巨大さが皆目伝わってこないばかりか
身近におこる恐怖とか、ウルトラマンの「ぼくらの救世主」的印象がまるでない
完全によその世界の話・・・全くの絵空事だ。

ヒカリの外伝のように
こういうことは番外編でやるべきだろう。

ウルトラマンたちがケンケン諤々討論したり
ウルトラマン同士の内ゲバだったり
(ベリアルがウルトラ族かどうかは知らないが見た目はそう見える)
なんだかとっても内山まもる風味

こういう作品なら
もういいかげん黒部進たちをムリヤリ出さなくていいんじゃないかと思う


ネットで拾ったコラ画像をひとつ
1253189949356.jpg
ゼロのデザインに感じた違和感はこれだった。

何万年も生きるウルトラ族にとって
息子というのがどれほど年が離れているのか見当もつかないが
現代風のアレンジ、すなわち「現代っ子」ということなんだろう。

というスタンスでULTRASEVEN Xと同じ方向性のデザインが為されたゼロ

しかし、あくまで SEVEN Xはセブンじゃねェから。
posted by BIE at 17:19 | Comment(1) | TrackBack(1) | 映画全般

2009年06月17日

タミさんは野菊のようだ

ターミネーター4を観た

よく考えた上で、よく作り込まれてるけど、全然面白くない。

物語のエピローグで、一作目と韻を踏むとか
ジョンの顔に傷を付けるとか、テープの声はリンダ・ハミルトン本人とか
ディテールにこだわるわりには、肝心な部分がおろそかな準A級映画って感じ

ジョン・コナーがヘタレで、結局世界が救われず
評判が悪かったT3よりも面白かったとお世辞にも言えない出来だ。

ジョン、サラ、カイルの使い方はまあ良い。
この辺の使い方を間違うとシリーズの整合性がとれないから
入念にプランニングされているんだろう。

しかし、全体的になんというか、もう非常に散漫な印象で
スカイネットのロボット兵器の意匠をはじめ、本拠地の設備も、
レジスタンスの構成も、その他の生き残った人々も
すべての考証にリアリティがない、ご都合主義の権化だ。

テレビシリーズの「サラ・コナー・クロニクル」は観ていないので
何とも言えないが、これまでの映画3作に限って言うと、
未来の殺人兵器が現代の日常に現れるから怖かったのであり、
今日にも機械に殺されるかもしれない恐怖の世界を全く描ききれていない。
これではただの近未来SF映画で、ターミネーターの名を冠するに値しない。

シュワルツェネッガー登場だけは激燃え展開と聞いていたが
ケレン味はともかく、あそこでシュワ顔のT-800が出てくるのはおかしいし、
それならそれでジョンにもっと違う反応をさせることができたハズ。

ラスボスの重みがまるでないし、本当に出てきただけだった。
顔だけとはいえ、シュワ本人よく使用許可を出したものだ。

そもそも
本作のキーパーソンとなるマーカスを作り出した人間たちは
何を考えてマーカスをあんな風にしたのか理解に苦しむし

最後のアレは、さすがにねぇだろ。いや、マジで。




追記:
今さら根本を覆すようでなんだが
過去に遡って暗殺しないと手に負えなくなるほど
未来のジョン・コナーが、人類にとってそれほどのカリスマとは
とても思えないんですが。

スカイネットの科学力を持ってしても
人類殲滅がカリスマひとりのせいで妨げられるなんて、とてもとても…

いや、2までで終わってたらあぁ、未来ではカリスマなんだなぁで
納得いってたんですけどね。やっぱ3も4も蛇足なのかなぁ
サラコナー・クロニクルズ観てみるかな。


追記2:
今作、ターミネーター4は、5、6へ続く三部作の第一章だそうですね。





やめとけや・・・
posted by BIE at 18:11 | Comment(0) | TrackBack(0) | 映画全般

2009年04月25日

レッドクリフ

先日テレビで、レッドクリフ part.1を見ました。

劇場ではpart.2が上映中なのに、何を今さらという感じですが
個人的に「三国志」では
劉備たちがまだ不遇な時代、董卓の天下から呂布が死ぬまでの頃が好きで
赤壁の戦いにはあまり思い入れがなかったので、part.1見てなかったんです。


以下感想なんですが
CGをふんだんに使った壮大なスケール感はさすが
しかし、物語の"尺"的に不要なシーンが長いわりに
内容が薄いなと感じてしまいました。

たとえば、孫権が曹操に立ち向かうことを決意する虎狩りのシーンが長すぎる。
孫権の妹も出てくる必要なし。
そして何より、周瑜のラブシーンが長すぎる。てか、不要。
part.1最大の見せ場である、八卦の陣を擁した赤壁前の陸戦は
関羽や張飛の一騎当千ぶりを演出するために
いかにもジョン・ウーらしい、ありえないアクションシーンの連続で
「ンなあほな」と、笑ってしまう。
で、これから決戦と言うところでブッツリ終わる。

まあ後編への引きという意味では正しいけど
演出と編集次第では3時間の映画1本で収まる気がして、
無駄に贅沢だなという印象。

主役のひとり周瑜役のトニーレオンが、ガレッジセールのゴリに見えるのは
大いに問題で、女性にも理解しやすくというアプローチでラブシーンを入れたりするなら、周瑜はもっとイケメンを使うべきではなかったでしょうか。

あと、中村獅童がモンゴル人にしか見えない件
posted by BIE at 20:28 | Comment(0) | TrackBack(0) | 映画全般